あと10話か…いよいよラストが見えてきましたねー今回はクライマックスに向けて大きな布石となる「宗二の最期」。
へうげもの 五服 (講談社文庫) [文庫] / 山田 芳裕 (著); 講談社 (刊)![へうげもの 五服 (講談社文庫) [文庫] / 山田 芳裕 (著); 講談社 (刊) へうげもの 五服 (講談社文庫) [文庫] / 山田 芳裕 (著); 講談社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519XKoxX6ZL._SL160_.jpg)
というわけで最大の見所はもちろん、光成が宗二の首が入った桐箱を利休に突きつけるシーン。ここから利休と光成の確執が決定的になり、破局に向けて一直線に転がっていくことになります。
原作ではほとんどホラーとみまがうような濃い表現で描かれていましたが、もちろんわれらが社長はもっとぐっと抑制的。NHKですしねえ(^^;むろん、それをまったく苦にせず逆に斬新な表現へと結びつけるのが真下流。
原作では確か光成がポイと投げ出した桐箱から宗二の首がゴロリと転がり出るのですが、真下版ではむしろ光成はソッと箱を置く感じ。不審げな表情で利休が蓋を取ってみると…とかなり慎重に間合いを取っている。この後の利休の裏返った眼とかネガ画像とか賛否分かれるところでしょうね。宗二の首を直接的にみせることなくギリギリの形で利休の衝撃を原作の表現も巧みに取り込みながら描いています。まあ昨今の真下からすればもっと禁欲的にそっと蓋を取るシーンだけで悟らせることも可能だったと思うのですが、田中さんの技量に賭けてみたかったんだろうなあ。
「…んのぉれ…ェッ!」
という利休の深く深く抑制された怒りをよくぞここまで描いたという感じ。ここは田中さんの好演を誉めるべきでしょう。いやお見事。
見事といえば、宗二の尋問シーンでの江原さんもすばらしい。宗二のアンビバレンツな感情をすべて見抜いた上で、あえて宗二が受け入れるはずのない服従を強いる秀吉。それが権力者の傲慢ではなく、頂点に立つ人間が避けて通れぬ、孤独な苦い決断とすら感じられるとは…
「…これ以上、余に努力させるな」
とさびしげにつぶやいて去っていく秀吉。もちろん原作でも同じセリフなのですが、ここまでの深さはまさしく江原さんじゃなければ出せないものだろうなあ。本当にしみじみとすばらしい。
それらの熱演の後になると、大倉氏の演技はどうも一段も二段も見劣りしますね。うーんヘタなわけではないんだが。
「ほぅ…」
とか、もっと注意深く工夫を凝らして演技してみてほしいものです。いや確かに少しずつうまくなってはいるんだが…物足りないなあ(−−;
posted by てんちょ at 03:24| 大阪 ☀|
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