2006年02月10日

超ひも理論その4

 実はうちのサイトで隠れたロングセラーとなっているのが、「超ひも理論その3」。

http://tenchyo.seesaa.net/article/1872651.html

 「超ひも理論」についてはわかりやすいサイトが少ないようで、うちに飛んで来られる方も多い。まあ、そこまで需要があるなら少しがんばってみようかと、いろいろと資料をあさってみました。いや、確かに難しい。「相対性理論」や「量子論」もたいがいむずかしいし、「やさしく語る解説書の需要は常にありますが、それでもこちらは万人にお勧めできる入門書があります。

 「超ひも理論」が圧倒的に難しいのは、「相対性理論」と「量子論」の矛盾点をなくし、大統一理論として二理論の上に立とうとしているからなんですね。「相対性理論」も「量子論」も単独でも難しいのに、十分に双方を理解していなければ、「超ひも理論」を理解することはおぼつかない。

 もちろん以前にも触れたとおり、超ひも理論の根幹は、我々の世界を構成する最小要素を、点状の粒子ではなく、大きさのある「ひも」と考えようというもの。つまり、この世にあるものはすべて「ひも」でできている。
 中学・高校の理科では、物質を構成する最小の要素として「原子」を習いますが、その先はあまり立ち入らない。もちろん原子は陽子による「原子核」とその周囲を回る電子から成るのですが、原子核もクォークが組み合わさってできており、さらにまだ先がある。いったいどこまで行くのか?無限に続くというのはあり得ない。物質の最小単位は必ずあるはず。しかし最小粒子をゼロ次元の「点」と考える限り、どんなに拡大しても点は点のままで、このままでは計算式の中に「無限大」が入り込んでしまう。そこで「これ以上小さいものはない」という行き止まりの終着点として、「プランク長さ」という非常に小さい単位ではありますが、物質の最小単位を構成するものとしての「ひも」が考え出されたのです。

 質量mの物体が速さvで移動する時運動エネルギーはm×vの自乗÷2で導き出されます。高校の物理でおなじみの世界。しかし電子よりも小さな物質の世界では、質量がほとんどゼロに等しいため、個々の運動そのものが運動エネルギーとイコールと考えられる。ならば、一次元のひもがあった場合、そのひもの運動エネルギーですべての物体の姿を再現できるはず。この世にあるすべての物質は、バイオリンの弦のようなひもの振動に置き換えることができるわけです。

 こう説明すると、それはただの物理学者の頭の中の遊びで、現実にそうなっているというわけではないんだろうと誤解される方も多いと思います。しかしそうではなく、あらゆるデータが「超ひも理論」を肯定する方向に固まっている。ただ、あまりにひもが小さいので、現在の技術精度では発見できていないだけ。そのことを説得力をもって描き出すのは至難の業ですが。

 たいがいの本は難しすぎるか説明不足かであることが大半で、決定版は、といえばやはり何度も言っている通り、ブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」(草思社)ということになってしまう。これはもう本当に名著です。超ひも理論の概念のかなり複雑な部分まで、計算式をほとんど使わずに説明してのけているわけですから。ただ、それでやさしくなっているかというとそれはもうぜんぜんそうはなっていません。あまりに我々の現実から遠く離れてしまっているので、具体的な姿を思い浮かべるのが至難の業なのですね。

 だから、超ひも理論に挑むときは、この本を常に傍らに置いて、わからなくなったらより初心者向けの本をいくつか読みながら徐々にイメージをまとめあげていくしかない。

 そんな作業の友としてぴったりなのが、今回紹介する
広瀬立成「入門超ひも理論」(PHP)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569618839/qid=1139583896/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-5416892-7329903

 PHPといえば、量子論に関する決定的名著「量子論を楽しむ本」の版元。これなら、かなり期待できるぞと思いながらひもといたのですが…まあ、さすがにそうはいかない。それなりに難しいです。でも、同系列の科学書よりはかなり早く読み進められるはず。それに、
 実際にひも理論が紹介されるのは全体の3分の1ほど。「量子論」ほどやさしくはないですが、多くの理系本が自明の理としてしまっている計算式を構成する記号をひとつひとつ丁寧に説明してくれているので、数式入りでもかなり細かいところまで理解できる。

 残念ながら「エレガントな宇宙」ほど踏み込んだ説明はされていませんが、より分かりやすい表現も多く、「エレガント」でつっかえた部分がそうだったのか!とのどのつかえが取れる思いを何度もしました。また、大統一理論構築に向けて「超ひも理論」がなぜ有望なのかについてもかなりくわしく説明されており、このあたりはかなりスリリングで読ませます。

 何よりも、数式がしっかり理解できるのは実にうれしい。そう厚い本ではありませんが(274ページ)読むにはそれなりの時間がかかります。しかし、それだけの喜びは与えてくれるはず。お勧めです。そして、この本の後は、ぜひとも「エレガントな宇宙」に挑戦していただきたいところですね。

posted by てんちょ at 23:53| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月20日

シリコン半導体で量子コンピュータ

 このブログでも何度か取り上げている量子コンピュータ。「真実の場所」を成り立たせる重要な役割も果たすなど、アニメ「MADLAX」においては忘れてはいけない重要なアイテムです。マド講座でも触れましたが、量子コンピュータは膨大な情報処理を可能にする一方で、自身を安定した状態で保つことがとても難しい。
http://www.geocities.jp/mashimotop/chap3comp.htm

 そんなわけで、今までは絶対零度の空間など非常に限定された場所でしか作動させることができませんでした。電子をそろばんの玉がわりに簡単な計算ができる程度。しかしシステムはすさまじく大がかり。コンピュータ、とはいっても、従来のコンピュータとはまったく似ても似つかぬ形状だったわけです。だからこそ、「MADLAX」では、脳の中に量子コンピュータを作り出すという大胆なアイデアが登場するわけですが。

 そんな量子コンピュータが、パソコンでおなじみシリコン半導体で作ることができたというのだから驚きです。
http://www.asahi.com/science/news/TKY200508190442.html
ま、見ていただいたら分かるとおり、あいかわらず「そろばん」レベルの機能なんですけどね。ていうか、そろばんの玉一個だけ作って騒いでるのか。要するにシリコン基盤上で「重ね合わせ」が再現できたというだけのような気もするけど。どのみち、ソフマップで「量子コンピュータ」が発売される見通しがついたというわけではありません。そりゃまあ、この素子を積み重ねれば原理的には量子コンピュータはできるわけですが…うーん、これだけじゃあ、どうやって干渉を防ぐのかよく分からないなあ。私、個人的には、量子コンピュータをシリコン基盤上に作るのはナンセンスという意見。だって、干渉をブロックできるとは思えないもの。

 それよりは、以前ここで触れた東大の古澤先生の光粒子を使った「三つ組み絡み合い」実験の方が有望に思えますよ。光粒子は干渉に対して丈夫みたいだから。
http://tenchyo.seesaa.net/article/4358514.html

 ただ、パソコンの基盤で量子コンピュータが作れるということになれば、我々の知るおなじみのコンピュータの世界にぐっと近づくのは確か。ここはお手並み拝見、ってところでしょうか。
posted by てんちょ at 23:57| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月09日

高校数学で分かるシュレディンガー方程式

 この時期になってくると、そろそろコミケに向けてそわそわしてきます。日々の更新も心なしか短めになってしまいがちですが、ご容赦を。
 現在は、本誌「MP」の記事を書いてます。ひょっとするとCLAMPファンの方にはちょいと毒のある内容になってしまうかも。日々ここのブログを読んでおられる方はよくおわかりとは思いますが。

 で、「MP」という本の構成は、特集評論・トーク・メディア時評の3本立てになっています。実はこの3つ目のメディア時評がひそかに力を注いでいるものでして、ノンフィクション本とかアートとか舞台劇とか渋めのメディアを中心にリアルタイムでご紹介しております。往年のペヨトル工房を念頭に置いたセレクションです。特にノンフィクションは重点を置いていまして、文系と理系を必ず1本ずつ紹介するのがお約束。

 今度の夏コミでは、文系本は「中国の歴史1〜2巻」という超大物がありますが、理系本は特にいいものがなくて困っていたんですね。それで、何かないかなあと仕事場近くの大型書店を物色して発見したのがこの一冊。講談社ブルーバックスの新刊です。

 量子論の中でもシュレディンガー方程式は難解で知られるもので、MADLAX講座のテキストに使用させていただいている佐藤先生の「量子論を楽しむ本」(PHP文庫)でも、シュレディンガー方程式の説明はありません。「こういうものがあります」という程度。

 そもそもシュレディンガー方程式の根本をなす「Ψ」ってのは何ぞや?っていうのがずっと疑問だったわけです。でも、ちゃんと数式入りで紹介している本はかなりハードな「教科書」が大半。物理専攻の人でもなかなか歯が立たなくて挫折することが多いようです。
 それが高校数学で読み解けたら?これはうれしいことですね。まだパラパラとしか見ていませんし、これ以上書いたら夏コミで書くことがなくなってしまいますんで、気になる方はぜひ当日おいでください(^^;
 さーて、これから読むのが楽しみですよ。
posted by てんちょ at 21:54| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月23日

相対性理論はやさしいか

 まあ、本質はやっぱりむずかしいと思うんですよ。量子論もそうですが。ただ、よくできた入門書があると、かなり深い部分まで素人でもがんばって入っていくことができる。それが、こういう科学入門書の大事なところなんですね。

 いま、こうやって改めて「Newton」の相対性理論特集を読んでみると、逆にあまりに分かりやすすぎて拍子抜けするんだけど、それはひとつには「数式がないから」であり、もうひとつには「図版が豊富だから」でもあります。文字でいくら説明しても何を言っているのか分からないもどかしさ、というのは理系本を読んでいると常に感じる不満ですが、たしかにここまで豊富な図解で説明されると「あれれ、こんなにやさしい?」と戸惑うほどです。

 理系のプロの方々にしてみれば、数式を使わないと本当に正確には表現できないと言いたいだろうとは思うんですよ。みんな、何かいつもそんな顔してるし(笑)コミケでも、イラストを豊富に使った理系本てあればいいのに、と思うんだけど、実際に出てくるのは膨大な数式を使った本ばっかり。それはそれで面白いからつい買ってしまうんだけど(オイ)、ここはひとつ理系出身の絵描きさんにがんばっていただきたいところです。

 特に超ひも理論はねえ…絵にするのは相当に大変だってのはブライアン・グリーンの著作を見てても本当によく分かりますが。ここはひとつ「Newton」にがんばっていただきたい。

 とはいえ、難解な理系本を悶絶しながら読むのも楽しみのひとつではありまして、脳がグルグルする感覚はなかなか人文系の本では味わえない。その点からいうと、今回の「Newton」の特集は「え〜こんなもん?」という程度でかなり物足りなかったです。たぶん、この先は普通の理系本買って読めってことなんでしょうね。私、もう「Newton」は卒業、ってこと?子供のころから長くお世話になってきた身にしてみれば、それもちょっぴりさびしいかもですね。

 うーん。ジュンク堂書店に行ってくるか。
posted by てんちょ at 15:27| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月22日

「Newton」のこと

 いや、やっと入手しました。何がって、「Newton」の7月号。新聞で派手に宣伝してましたから、見た方も多いでしょう。「相対性理論」の大特集。読者モニターとの徹底討論で、中学生にも分かる相対性理論、というのを目指したとか。

 で、本屋で探してみたところどこにもない!みんな瞬速で売れてしまったらしいんですね。相対性理論というのは、まあいわば「むずかしい科学理論」の代名詞みたいになってて、でもやたら知名度だけは高い。んで、「理解できるもんなら理解したい」と思っている人が多いってことでしょうか、やっぱ。わかりやすく説明する、というのは間違えてしまうリスクも大きくなるわけで、いつぞやのNHKスペシャル「アインシュタイン・ロマン」を思い出します。面白かったのは第4話の「カエルと悪魔の方程式」だけだったけど。

 ほとんどあきらめかけていたころに、大阪・梅田の旭屋書店で発見。梅田も大書店の競争が激しくなってきて、ジュンク堂、紀伊国屋などが並び立ち激烈。ペンシルビル型で使い勝手の悪い旭屋が一番ワリを食ってしまったってことでしょうか。他のところはどこにもなかったのに。

 「Newton」はそれにしても思い出深い雑誌です。中学生の時に創刊号で出会い、一時期読みふけったもんです。年がバレますね(^^;思えば、私のこの中途半端な理系マニアは、このころに始まったんでしょうか。数学は得意じゃないってのに理論だけ集めたがる性癖もこの本のせいでしょうか。

 入門書って大事だと思いますよ。これなしにいきなり専門書読んだって、分かるわけないですからね。その後、私も大学生になるころから購読を辞めて、一般科学書に手を伸ばすようになりましたが、今回久々に「Newton」を読んで、入門書のワクワク感をなつかしく思い出した次第。

 次はぜひとも量子論の超入門特集をお願いしたいところですね。

 とか書いていたら、中身について触れる時間がなくなってしまいました(笑)続きはまた明日にでも。
posted by てんちょ at 16:04| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月14日

三つ組み量子の絡み合いその2

 昨日の話の続きです。
 まずは復習から行きましょう。
 分裂した二つの粒子が右回りか左回りかどちらかになる、という話をしましたよね。本当はコマのように回るというわけではないのですが、わかりやすいので、ここではコマのように回ると考えてください。そして、どんなにこのふたつの粒子の間の距離が離れていたとしても、片方が「右回り」と分かったら、もう一方は自動的に「左回り」ということになります。これが昨日の復習。

 さて、片方の粒子を観測した場合、右回りになるか左回りになるかは、どちらも50%の確率だとしましょうか。当然、粒子が分裂した瞬間、AとBの粒子はそれぞれどちらかに回転を始めていると思うでしょう。でもこれは間違い。どちらの粒子もあくまで「右回り」と「左回り」の二つの選択肢が重ね合わせになっている、というのが正解なのです。私たちが「観測」した時に初めて、どちら向きに回るかが決定することになります。

 量子コンピュータはこの理屈を使います。選択肢Aと選択肢Bのどちらかが正解という場合をまず想定しましょう。そして従来のコンピュータの場合、正解を検証するためにふたつの回路が必要だと仮定してください。ところが量子コンピュータは、「選択肢A」と「選択肢B」の検証を重ね合わせに表現することによって、ひとつの回路で済ませてしまいます。これにうまくマーキングを施しておくと、「観測」によって重ね合わせが壊れ、正解が浮かび上がってくる仕掛けになっています。

 今回成功したのは、選択肢が三つあるケース。二者間では、「絡み合っている」「絡み合っていない」の二通りしかないのですが、三者間では、飛躍的に可能性が増えます。「AB間でのみ絡み合っている」「AC間でのみ絡み合っている」「すべて絡み合っている」などなど。詳しくは、昨日も紹介した、古澤先生のインタビューページを見てください。このサイト、とてもわかりやすくておすすめです。
http://info.linkclub.or.jp/nl/2005_01/future2.html

 二者間のケースは既に実証されているのですが、これは量子コンピュータが実現可能であることを証明するだけ。真に実用化への道を開くためには、三者間の絡み合いを成功させる必要がありました。これが、今回の実験が注目されている理由なんですね。

 なお、今回の古澤先生の実験では、なんと常温下で行われているそうで、とても驚きました。ここでも何度か触れたことがありますが、現在の量子論コンピュータ実験は、絶対零度の干渉の少ない環境で行われることが大半なんですね。なぜ常温下での実験が可能になったかというと、光を使ったからだそうで。光は個体系の粒子と違って、鏡で反射し続ければ、外部の影響で壊れることがない丈夫な粒子なんだとか。確かにそう言われてみれば。考えましたね。

 しかし古澤先生、実験環境を人間の脳の中に置くってのは考えなかったんでしょうか(笑)このへんは「マドラックス」のオリジナルの理屈ですけどね。
posted by てんちょ at 21:09| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月13日

三者間の量子テレポーテーション成功!

 ひさびさの科学ネタですよ。「超ひも理論」の検索はいまだに多いので、何かやりたいとは思ってきたんですが、なかなかブログ向きのいいネタがなくって。
 しかし、とうとう「キター!」という感じのネタが現れましたんで、ちょいと書かせていただきます。
http://www.asahi.com/science/news/TKY200506110279.html

 「もつれ」と言われてますが、ここで何度か紹介している量子論の「絡み合い」のこと。とにかく非常に理解しにくい現象で、この記事だけ読んでも何のことだかさっぱり分かりませんね(笑)これは、当サイトがテキストとして利用させていただいている「量子論を楽しむ本」(PHP文庫)が非常にうまく説明しているので、ぜひ参照してみてください。177ページからの内容です。

 ここではごく簡単に説明しますと、ミクロの粒子が二つに分裂する時に起きる現象が、それぞれ必ず逆になるということ。Aの粒子が右回りに回転しているとしたら、Bの粒子は左回りに回転することになる。これは、分裂したふたつの粒子がどんなに離れても変わらないわけで、たとえ一光年離れていても、Aの粒子を観察すれば、Bの粒子の状態はその逆だと分かってしまうことになります。
 つまりナフレスとガザッソニカの距離がどんなに遠くても、マーガレットが立っていたら、マドラックスは座っている、ということになるわけ。まああくまで例えです。二人とも人間ですから、こんなにキレイに対照的な動きをするわけではありませんが、アニメの中で描かれたように連動している状態になるわけ。第5講ではこのへんの話をしたいんですけどね。もうちょい待って(^^;

 この話、明日も続きます。とりあえず、こちらが分かりやすいので見てください。
http://info.linkclub.or.jp/nl/2005_01/future2.html
posted by てんちょ at 19:08| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月28日

「皇帝の新しい心」購入

 この日記のスタート時からずっと取り上げてきた、ロジャー・ペンローズの科学書「皇帝の新しい心」(みすず書房)をようやく購入。何せ高価な本ですから、新刊をポンと買うのはちょっと苦しい。まあ確かにそうポンポン売れる本でないのはわかるんだけど、536ページの本に6615円というのは、ちょっと暴利すぎるんじゃないか。結果的に版を順調に重ねてロングセラーになってるみたいなのに。軽装の廉価版とか出てもいいと思いますよ。
 でもまあ、ネット社会さまさまで、Easyseekでほぼ半値の出品を発見。取り寄せてみたらこれがなかなかの美本で、いやーいい買い物しました。

 まあそう簡単に理解させてくれやしないでしょうが、パラパラ見た感じでは、どうにもこうにも歯が立たないという感じでもなさそう。当面、数学の入門書を傍らに置きながら、じわじわと読みすすめていくことになりそうです。

 すっかりこの日記も「ツバサ・クロニクル」一色になってた気配もありますが、「MADLAX」はDVD版完結がまだ先だし、まだまだ論じますです。なんせ「MADLAX」で久々に数学熱が再燃しましたから。いろいろ勉強してみましたが、数学は深くておもしろい。マスターできるか、というとこれは別問題なんだけど(^^;
 理論を聞いているぶんにはワクワクしてくるんだけど、じゃあ演習、という段になると英単語と同じで「覚えてらんないよ〜」という情けない状態。ダメダメですね。ま、精進いたしますゆえ。

 近々、本当にひさびさになりますが「マド講座」の4回目をアップする予定。今度は、量子の「からみ合い」現象にマドラックスとマーガレットをあてはめて分析してみます。「からみ合い」現象ってのは、量子のメカニズムで分裂した粒子が、どんなに離れていても連動した動きをすること。粒子Aが時計回りに回転しているとしたら、粒子Bは必ず反時計回りをすることになります。たとえばこの二つの粒子の間に10万光年の距離があったとしても、粒子Aを調べれば粒子Bのことが瞬時にわかってしまうことになります。光速より早く情報をやりとりできるわけですから、これは相対性理論違反。量子論を嫌ったアインシュタインが、量子論が間違いであることを示す証拠として考案した思考実験なのですが、実際には何と本当にそんな現象があることが実証されてしまいました。
 量子論は、本当に調べれば調べるほど不可思議でおもしろい…
 さーて、ペンローズ読まなくっちゃ。その前に半分ほどで読みさしの「ラブクラフト全集第7巻」(最終巻)をなんとかしないと(笑)ラブクラフトって何であんなに悪文家なのかなーといいつつ読む私。
posted by てんちょ at 18:15| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(1) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月12日

ペンローズ読破を待ちながら

 昨日は、神戸で映画上映会。会場までの電車の往復を利用して、ロジャー・ペンローズの「心は量子で語れるか」(講談社ブルーバックス)をようやく読了しました。amazonの紹介ページを見ていただいてわかる通り、「心の影」(みすず書房)のダイジェスト版。
 amazonで読者の一人が書いている通り、この本、ブルーバックスとしては相当に難しい部類のもので、雰囲気以上のものを味わうのはなかなか困難。それでも第3章の「心の神秘」の部分はめっぽうおもしろく、引き込まれて読みました。おそるべき厚さとおそるべき価格を誇る「皇帝の新しい心」「心の影」を理解するための先触れくらいにはなったかと思います。ある程度、論点も整理されたので、そろそろ「なぜなにマドラックス」の第4講を書きにかかります。予定通り、脳と量子コンピュータについて引き続き語る予定。
 その後は量子論に戻って「からみ合い」を多少論じながら、ペンローズの大著にいよいよ取り組んでいこうと思います。

 しかし、その前に数学の勉強のし直し(笑)ペンローズは結構遠慮なく、数式を使いまくる人なので、それなりに数式を読んで理解できるようになりたい!
いや、本当に切実に魂の叫びです(笑)

 読んでいて、つくづく思ったのは、「なんと数学を忘れてしまっていることか」ということでした。いや本当!理系の方はちょっとびっくりするかもしれませんが、複素数すら忘れてたんですよ。慌てて数学の再入門書を買ってきました。復習してから読み直すと「なるほどな〜」と膝を打ちたくなるんですが。まだぜんぜんわからないところも多くて。とりあえず、高校数学ぐらいはちゃんと理解して思い出しておかないと。

 理論を理解するだけじゃダメで、ちゃんと公式を使いこなせるようにならないと、数式は読めませんねえ、やっぱ。誰か、この手の本の「数式辞書」みたいなもの、作ってくれないでしょうか。

 とりあえず明日は数学を忘れて(オイ)スルットちゃんオンリーイベントだ〜♪
posted by てんちょ at 22:39| 大阪 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月08日

超ひも理論その3

 超ひも理論って何だ?という話がまだでしたね。
 私たちが住む、この宇宙を構成する最小単位を、点状の粒子でなく、ある程度の大きさを持ち振動する「10次元のひも」だと仮定する、という説のことなのです。これは原子や電子よりもずっと小さい、本来の意味でのこの世界の最小単位のこと。もちろん仮定の存在ですが、こういうものを仮定すると、現在ではどうしても出てしまう、「方程式の誤差」を修正することができるのだそうです。

 何だ、大してむつかしくないじゃないか。そう思われた方も多いかもしれません。確かにここまではそう難しくないんだけど、本題はここから。実はこの宇宙は11次元(!)らしいのに、私たちは空間3次元+時間1次元の4次元としてしか認識できない。では他の7つはどうなっているのかというと、なんと小さく螺旋状に畳まれて次元の隙間に(でいいんですよね?SFさん)隠れているというのです。

 つまり、人間にとっての世界の見え方は、本来の姿からは非常に歪んでいる、という意味では、「マドラックス」と関係がないわけでもない。ただ、ここまで来るとかなりこじつけくさいので…量子論のように厳然たる物証があるわけでもないので、あまり強弁したくはないです。遊びとして勉強してみるのはアリなんですけどね。

 超ひも理論はさらに続き、最近では、いくつかの異なる学説がひとつの統一ひも理論に統合できる可能性すら出てきました。
 そして、その結果わかってきたのは、空間は、位相によって姿を大きく変えるということ。素粒子が、他の位相ではブラックホールになったりすることすらあります。というか、氷と水が同じものが変化した結果でしかないのと同じように、ブラックホールと素粒子は同じものなのだそうです。
 説明している私も、もはやよくわかりません(^^;ブライアン・グリーンは、数式をほとんど使わず、丁寧に説明してくれるのですが…読んでいる最中は「あーそんなもんかな」と思うんだけど、本を閉じたとたんに「…何だっけ」となってしまうんです。うーん、修行がまだまだ足りないなー
posted by てんちょ at 23:48| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

超ひも理論その2

 昨日はサイトトラブルだったようで…一時同じ記事が3つならぶ事態に。すみません。
さてさて、ただいま、夏コミ用の書類書き込み中なので、あまり長くも書けませんが…
「携帯電話番号必須」って何だよ!持ってないよオレ(^^;
 
 それはさておき。昨日の続きなんですが、超ひも理論のテキストとして読んだ本はというと、ブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」(草思社)。
SFさんは「科学書は日本人のものに限る」って言ってましたけどね…
外国人のものの方が必読書が多いから仕方ないじゃないか〜

 まあ、難解として知られるひも理論なわけですが、実際に難解でした(爆)
 SFさんと「そうそう」と結構盛り上がったんですけど、難解な話をなんとか一般向けに平易に書き下そうとする科学書はたいてい、読んでいる間は「へー」という感じなんですが、本をぱたっと閉じた瞬間、「え〜となんだっけ」という感じになります(笑)
posted by てんちょ at 00:11| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月07日

超ひも理論その1

 「マドラックス」に超ひも理論が関係している…というのは、ほとんど冗談的な思いつき。ペンローズの量子脳理論が関係しているのはかなり確実のようだけど、こっちはあんまり本気にしないでね(^^;

 まあそれにしても、なぜ主人公二人がこんなにもしつこく「パスタが食べたい」「パスタが食べたい」というのかと気になったわけで、
「まさかひも理論を暗示してるんじゃないんだろうなぁ」
と、冗談半分で調べ始めたわけですよ。

 SFさんには愚痴ったんだけど、それにしても超ひも理論の難しいの何の!
そのへんの話を書こうかと思ったんだけど、あ、もう12時か。
じゃあ、続きはまた明日…

 とか言ってアップしようとしたら、エラーでアウト…とほほ。6日はアップできませんでした。続きはこの後で。この項目に追加で書きます。
posted by てんちょ at 00:09| 大阪 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月16日

皇帝のいらない1月

 本日は、仕事場近くの大型書店で三階の理系本コーナーを物色。実はこれまで二階の総合書コーナーでだいたい事足りていたので、あまり三階まで上がったことがなかったのですが、いやあ、楽しい楽しい。今のところ理系本の魅力に免疫がない状態なので、思い切りハマってしまっております。
 コンピュータ本のコーナーで「皇帝の新しい心」を発見。分厚い横書き本。図表と数式も盛りだくさん。しばし立ち読み。やはり相当歯ごたえがありそうですなー予習の必要性を感じてとりあえず書棚に戻す。まあ、非常に高価な本なので、アマゾンのマーケットプレイスで入手しようかと思ったりもしているのだけど。

 結局、購入したのは講談社ブルーバックスの「心は量子で語れるか」。一応、これもペンローズの著書です。はるかに安価で読みやすそうなので、とりあえず入門書として選んでみました。まあ、どういう結果になるかは、しばしお待ちを。

 しかし、路線としてはそう間違っていないとは思うのですよ。「マドラックス」に登場する要素は、脳、コンピュータ、そして量子論。そのすべてを包含するのは、ペンローズの理論ということになりそうです。はてさて、どこまで行ってしまうのか。

 「皇帝の新しい心」の後にも続きはありまして、さらに巨大な上下2分冊の続編「心の影」も刊行されています。ここには謎の蛋白質マイクロチューブルなるものまで登場し、ペンローズはこれが人間の精神活動の物質的根拠だとみているようなのですが…

 ともかくも終着点はまだまだ先であるようです。う〜ん、長く楽しめるアニメになりそうですなー「マドラックス」は。
posted by てんちょ at 22:09| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理・数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする