とにかく特異なエピソードで、サブタイトルに「女」も「男」もついていないし、登場人物は博士とエリスとローゼンバーグだけ。そういう奇妙なテイストの作品の奇妙さをさらに増幅させるのがエピグラフであるわけで。このあたり、計算のうちだったことは予想できます。
メインキャラの一人として発表されていながら、結局、ほとんどこの1本にしか登場しなかったシュナイダー博士。「MADLAX」にてバートン大佐が細かい断片の中で全編に何度も出てくるのとは対照的ですね。そういう点では、この作品、うまく壊れなかった感じで、かなり残念。
今回改めて見返してみて思ったのは、これは「異端の愛」の物語だなあということでした。本放映当時言われたように「ロリコン」とかそういう、今となってはありふれた概念ではなく。というのも、エリスは人工生命であり被検体であり、さらに言えば人間ですらない。ところが人間は言語で意思疎通できるものには、何でも感情移入してしまうものらしい…そういうことを考えさせられますね。
エリスとナディのレズ描写は明朗すぎて何の危険性もありませんが。というか、最後まであの二人は「仲良しコンビ」にしか見えなかった。このへん、コメディという要素は相性が良くなかった気がしないでもありません。このエピソードは何しろ例外的に、はっきりしたお笑い場面がないのですから。
そしてこの作品の「原点」というべきこのシーンでこのエピソードは終わります。ある意味当然と言えば当然なのですが、最後の余韻の引き方は実に真下らしくてよかったです。

