2019年04月13日

「さらざんまい」#1

 今期、全話ディスクに残すであろう作品はこれだけ。たぶんそれは間違いないです。

 

 いやはや、あきれかえるほどわがままに自分の美意識を押し通し、採算など欠片も考えていない。しかしそれでもスタッフは着いてくるし、金を穴の底に捨てる覚悟で多くの企業が出資して、こんなわけのわからない作品がヌケヌケと実体化してしまう。そのこと自体、本当にすばらしいことだと思う。偶然、わけのわからないカルト作が出来たのではなく、最初から我が道を行く覚悟で、それをよしとする多くの人がいる。そんな幾原監督じゃなきゃありえない。われらが社長がいない現在、たぶん、今時ここまで無茶を貫けるのは幾原監督だけ。

 だからこそ、まったくわけがわからなくとも、最後まで観続けますし、ぜったいにアニメ史に残るであろうことは確信しています。それにしてもいやはや、こうなるともはや前作「ユリ熊嵐」は、まだ商業性を意識していたんだなあと思ってしまいます。一応、色気というものが感じられましたからね。

 今回はイケメン少年たちが主人公ですが、腐女子のマーケットを意識しているかというと、かなり悪意をもって挑発してくるような内容で、女子たちむしろ怒るんじゃないか。だからといって男には到底ウケるような設定ではないし。そもそもカッパって色気はないですわなあ。あ、いやもちろん小島功のかっぱっぱなんてのはありましたけど、ああいう「お色気」路線は微塵もありませんで、それでいて尻子玉という、腐女子を挑発するような設定を持ち出してくるし。

 ユーチューバ―とか、女装美少年とか、ある程度流行りものを押さえつつ、それをまったくよくわからない形に解体し、それでいてスタイリッシュに演出してみせる。いやーケンカ売ってるなあ。誰にケンカを買ってもらうつもりなのやら、それすらよくわからんけど。

 こんなにアニメ市場がドン詰まりでディスクが売れず途方に暮れている状況下で、しかも大量の作品だけは無意味に作りつづけられている中にあって、どうせ無意味に終わるぐらいなら、損覚悟でやりたいことやってしまおうぜという心意気がすばらしい。大半の作品がもはや「どういう内容だったか」来週には忘れられてしまうありさまの中にあってこれだもんなあ。これだけ「わからん」と視聴者に悲鳴をあげさせて、そのことに平然としていられるのはある意味すごい。

 もちろん幾原節が浸透するためには本当はある程度の尺が必要で、ウテナ3クール、ピングドラム2クール、ユリ熊1クールとどんどん短くなっているのには頭を抱えざるを得ないんですけど。でも短いなら短いなりに爪痕残してやるぜという心意気を存分に感じさせるのはお見事というしかない。

 だからもちろん観ますとも。わけがわからないからこそ。そのあたりの我が道を行く覚悟が、「スターライト」とかにはなかった気がする。
posted by てんちょ at 01:02| 大阪 ☁| Comment(1) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そこまでおすすめなら見てみるか……。前衛的な実験作ならいい、いうもんでもないと思うけど、自分の刺激にはなるだろ。美少女が日常したりアクションしたりするアニメはもう見飽きたから、「プリキュアだけあればいいや」的な気分だしなあ。
Posted by ポール・ブリッツ at 2019年04月14日 16:39
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