2017年03月25日

「昭和元禄落語心中〜助六再び篇」#12(完)

 というわけでこれにて完結。いやーすごかったなあ。まさに万感のフィナーレでありました。個人的には前回で終わり、今回はエピローグぐらいのつもりで見てたんですが、どうしてどうして。



 十五年の時が過ぎ去り、信之助は菊比古の名を継いで二つ目に、そして助六は八雲を襲名することに。小夏はようやく念願叶って女性落語家デビューが決まり、まさにそれぞれが先代八雲の遺志をそれぞれの形で継いで、発展させていく、という形を見せたとこで終わるんですね。なるほど、伝統芸だけに、「受け継ぐ」ことの大切さを示して終わろうというわけですか。

 一時は存亡の危機に立ったこの世界の落語も、百名を超える噺家を抱えるまでに成長、ようやく現実世界に近いところまで追いついてきました。

 今回驚いてしまったのは、助六も小夏も、ちゃんと年齢を重ねた声になっているということ。もちろん青年時代から晩年まで一人で演じ切った石田さんが一番大変ではあったんですが、与太郎ももともとの軽さは残しつつも、それなりの年季と重みを手に入れた、ずっしりとした語り口と渋味を感じさせる芸風になっていたのには驚いた。そして、小夏姉さんの方は、威勢のいいのはそのままに、きっちりオバさんの声になっていたというのがまたすごい。

 一方、信之助は、小朝か志ん朝かというサラブレットぶりを発揮しつつも、ヤンキーみたいなしゃべくりが残ってしまっている、まだ未熟な若者ぶりがよく出ていたと思います。この後どういう風に成長していくか楽しみなところなんですが、ここで最終回なのが残念でならない。

 関さん、クライマックスで演じた「死神」は、まさに助六・八雲の合体技で、一瞬先代の姿を幻視してしまうのだけど、あえて陽気にワッと落とすことで、厄払いを果たす、というのもまた最終回らしくていい感じでありました。

 そして最後の最後で明かされた驚愕の真実。まあ、冒頭場面でなんとなく納得してしまってましたけど。この作品、なによりもストーリーがよくできていて、そこは雲田はるこさんの腕前の見事さなんですが、そこに命を吹き込んだ声優たちの名落語家ぶりが何よりもすばらしかった。マンガには声はないわけで。本当に「名人芸」を見せてしまうすさまじさ、声優という職業の凄みを見せたという点で伝説の作品になったと思います。本当にみなさん、おつかれさまでした。

 結構要望が出てますけど、ぜひとも声優陣のフル収録の落語CDがほしいですね。各人、若い頃と晩年の二席ずつ。変なドラマCDよりはよっぽどこっちがいいでしょ!

 ともかくも、本当にみごたえのある作品でした。今期のベストは「このすば」と「落語心中」かなあ。どっちも二期目なんだけど。
posted by てんちょ at 23:56| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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