2016年08月23日

「ハイ・ライズ」

 久々に映画です。すいません(^^;



 まあ、NWSFファンとしては行かないわけにはいかない。たとえ壊滅的に客が入っていなくて、ヤフー映画の星取り点数が2点台だったとしても。

 SFファン行った方がいいと思いますよ。そうでないと後後悔する。ただ、バラードの映画化は難しいなとしみじみ思いました。「太陽の帝国」は論外としても、「クラッシュ」の微妙さには近いものがあるかも。ただわたし、「クラッシュ」は結構好きなんで。

 「クラッシュ」と「ハイ・ライズ」に共通しているのは、どっちも原作に忠実に映画化した結果、かなり狭い世界の話になってしまったこと。あと、「ハイ・ライズ」の暴力描写って、映像でそのまま見せるとかなり安っぽくなるのねと痛感しました。あれは文章でしれっと書くから変なおかしみと「おいおい」という感じの風刺感が出るわけであって、そのままやると本当にミもフタもない。

 「ハイ・ライズ」は基本的に高層ビルの高層階に住む上流階級と下層階に住む下流階級が戦う話なんですが、両者が戦い始めて以降、どちらもボロボロになって区別がつかなくなってしまうのが最大の問題。両者がそれでもアイコン的なものを手放さなければ大分印象は違ったと思う。シルクハットと鳥打帽とか。でもそんなものはなかったので、最後はもうグダグダ。

 住民の転落死が起きても外部からの干渉が一切ない、ということを指摘するところは興味深かったし、どうやらマンションの外でも何か異変が起きているらしいことをほのめかす映画オリジナルの演出は良かったと思います。

 映画的には、この転落以降が完全にグダグダなのですよね。ところどころ、プールのシーンとかはとてもいいんだけど。あと、この作品のキモはやはり冒頭「電話帳を焼いて犬を食いながら」というところが大切なので、犬だけ再現しても意味がない。やはり大事なのは電話帳だったと思うのですよ。

 バラードの作品は、むしろ原作に忠実にやらないほうが、原作の気分に寄り添える気がしました。本当、活字ならではの表現なので。「結晶世界」とか、一見映画向きですけど、映像化すると「それがどうした」という感じになるのが目に見えてるもんなあ。

 もし次になにか映画化するのであれば、思い切って「残虐行為展覧会」とかチャレンジしてほしい。ただし、主人公は作品を書いているNW時代のバラード本人にして、そこに作品が入り込んでくる形にするとか。そういう点では、「クラッシュ」ってそれなりによくできていたんだなあと、しみじみ。あ、でもファンは観ておいた方がいいと思いますよ。高層ビルの特撮演出とかは結構いいです。 
posted by てんちょ at 01:02| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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