2016年05月28日

「おじょじょじょ」#3

 クール教信者のもうひとつの代表作。やっぱこの人、ラブストーリーを描かせると絶大にうまい。

おじょじょじょ(3) (バンブーコミックス 4コマセレクション) -
おじょじょじょ(3) (バンブーコミックス 4コマセレクション) -

 ただのラブストーリーにはならないんですね。「旦那」にせよこれにせよ、恋をすることで人が変化し成長していくさまが描かれていく。特にこれはお嬢様と庶民の恋というベタな展開なんですが、あんまり障害は起きない。財閥の長である父親にせよすっかりひねくれてしまったハルをなんとかしたいと思っており、川柳君には次第に信頼を寄せていく。

 原則この話に悪人は出てきません。登場人物はみんなひねくれているんですが、ハルと川柳というカップルと出会うことで、自分を取り戻していく。それもご都合主義としてではなく、川柳が「ハルの恋人」としての自分を自覚し、進むべき道を次第に見つけていくことによってもつれた関係が丁寧に解きほぐされていくことになるのです。

 人に恋することは「あがり」じゃない。それからどうするべきなのか、その次にどうしたいのか、常に問われていくことになる。彼女とイチャイチャすることでもツンデレに腹の探り合いをすることでもなく、恋人同士になることで周囲との人間関係もまったく変わってしまう。

 恋人同士になったあと、周囲とどう付き合っていくのか、その部分にドラマを見付けていったのはこの作品の大いなる独自性というべきでしょう。多くのラブストーリーが周囲を遮断する形で幕を閉じるのとはまったく逆の方向性。本当すごい。もちろんここまで来てしまうと、そう長くは続けられないわけで、次回最終巻だとか。もったいないけど… まあ楽しみに待ちますか。
posted by てんちょ at 00:01| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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