2016年05月20日

第33回上野の森美術館大賞展

 ちょっと合間が出来たので、GW中に東京に行った際に観た展覧会の話でも。午後から不忍でイベントがあったため、中途半端に空いた時間を潰すために、上野の美術館を巡ることに。「若冲展」はアホほど混んでるみたいですが、もともと関西では既に見たものばかり。関東のみなさんはご愁傷様。

 そこで、ちょっと毛色を変えて「黄金のアフガン展」とこれを巡ることにしました。どっちもまあまあすいてて、それなりにいい時間潰しになりました。「アフガン」は世界史的にも意義あるイベントですしね。本当、これだけすごい財宝を抱えてる国があんなありさまなのはなんとも哀しい。これでもう少し感心が深まればいいんですが。

 まあそちらは今更私がどうこう言うたぐいのものでもないので、500円でぶらりと見たこちらを。関西でもボチボチセレクト展が始まりますし。

uenoart.jpg

 なんというかその、第一印象というか率直な印象としては「美術の道を選ばなくてよかった」なと。確かにみんなうまい。ものすごい量の作品が天井から床までびっしりと架けられていて、目が回る。しかし、どれもこれもどこかで観たような作風ばかり。具体風の抽象画や細密なデッサン画、ポップ調・パロディ調のデザイン画。みんな既出感がありあり。それは吉野家牛丼盆栽の大賞も変わらない。ていうか、個人的には、これと他の作品の違いがわからない。

 え、なんか違う? そもそもこれ山本太郎のニッポン画の後追いでしかないんでは?

 結局のところ、画学校的な技術論で機械的に評点を付けていった結果でしかないんだろうなあ。玄人目で見ればその差は歴然なのかもしれないけど、ここまで来たら、もう後はほとんど関係ないんでは? という素人気分がぬぐえませんでした。

 これだけいろいろ「なんでもあり」な状況で毎年大量のアーティスト予備軍が芸術系大学を卒業する状況にあっては、たとえ兼業でよしとするとしても飛び抜けた話題を掴むのは本当に難しい。いろいろ文句を言われつつも村上隆・奈良美智がどれだけがんばってオリジナリティを獲得したのかということを実感してしまいました。まあ村上隆はもうダメだなあとは思うけど。時代的果たした功績まで否定するのも違うとは思う。

 こんなコンペやっても多分次世代を担う芸術家は出てこない。ということを実感できたという点では、500円の価値はあったかなと思います。具体美術協会が関西にあってあれだけの個性派集団になり得たのは、まったく理不尽なボス・吉原治郎の支配があればこそで「あいつを出し抜いてやる」というメンバーの反撥がものすごい作品を生み出していったのだと思う。

 まあ、今の若手作家は壁がなさすぎて逆に苦労するとは思います。少なくともこんなところに出してたらダメだろ、それよりは犯罪にならずに社会面を飾る工夫を考えた方がいいと思う。まあアートに難しい時代だとは思いますけどね。みなさん本当におつかれさまでした。たぶん受賞者は明日の美術界を担わないとは思うが。

 
posted by てんちょ at 01:25| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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