ソビエト映画のパイオニアにしてモンタージュ理論の生みの親であるレフ・クレショフの傑作選。初日にはライブ演奏付き上映が実施されるということで行ってました。
いやー楽しかった。ファンファーレロマンギャルドという関西のカルテットバンドがクラリネット・パーカッション・アコーデオン・大正琴というユニークな取り合わせで楽しませてくれました。この手の演奏会は完全に映画に溶け込んで「どんな演奏だっけ」と思い出せなくなるタイプと、終了後も思わず口ずさみたくなる印象的なフレーズを繰り返し用いるタイプがありますが、今回は後者。個人的にもそういう演奏の方が好きですね。なんちゃってロシア風の演奏が楽しい。
映画は喜劇「ボリシェヴィキの国におけるウエスト氏の異常な冒険」をまず上映。こちらは、今までクレショフの代表作として比較的上映の機会のあったものですが、私は初見。社会主義と資本主義のカルチャーギャップを笑うものかと思いましたけど違いましたね(^^;革命で落ちぶれた元貴族の悪党たちがウエスト氏を騙して超野蛮な山賊みたいなボリシェヴィキコントを見せるというシュールな展開。もちろん最後は本物のボリシェヴィキに救助されて正しいボリシェヴィキの姿を知るという筋立てなんですが、古典的なドタバタサイレントの形式にのっとりつつすごく変な方向に向かってしまうのが面白い。
もう一本「二人のブルディ」はシリアスなサスペンスドラマで、白軍と赤軍の対立に翻弄されていたロシア革命前夜が舞台。サーカスで人気のピエロと二代目のその息子が初めて二人舞台を務めることになるはずが、そこに白軍が街にやってきて…という展開。主役を務める父・セルゲイ・コマリョフの重厚な演技がすばらしい。個人的にはこちらが好みだったかな。
もう一本「掟によって」が残ってるのでぜひこれも見よう。
2013年12月02日
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なかなか面白かったです(笑)