2013年03月07日

「続水戸黄門」「清水次郎長伝」「野狐三次」

 神戸映画資料館「春の時代劇まつり」ということで、レアな作品ばかりずらずらとやってましたので、行ってまいりました。正直な話、決して「傑作」ではない、B級とか小品ばかりですが、まあ戦前時代劇の幅広さを知ることのできる機会という点では誠に貴重。興味深かったです。

 全部で3プロ、各2本立てでも上映時間は各1時間強。どういうことかというと、要するに断片と不完全作品ばかりを集めた、普通なら添え物・端物でしかない作品が一挙に並んだわけです。でもこれが面白い。こういう特集上映はめったにありませんから。

「続水戸黄門」
 山本嘉一主演の代表的な黄門映画。今回のラインナップの中では唯一のキネ旬ベストテン入りしている作品で、オリジナルは3時間を超える大作だったようですが、高松の悪い殿様をこらしめるエピソード(15分)と今回上映された楠木正成の碑を顕彰するエピソード(12分)が残るのみ。高松篇はDVDが出ててそれで見ましたね。まあ正義の味方の黄門が定着してしまった現代から見ると、日本史のフィールドワークという本来の目的のエピソードが見られるのは大変に面白かった。

「さむらひ鴉」
 トーキー作品。でも主演は黒川弥太郎だし、スター映画じゃありません。思い切りマイナー。国定忠治の子分・友五郎が故郷に帰って大暴れ、しかも欠落だらけ。とはいえ結構不思議な面白さがあったかも。添え物の小品の魅力といいますか。あ、でも池田富保なのか。巨匠じゃないですか。ぜんぜんそんな感じしないけど。

「清水次郎長伝」
 沖博文監督、といえば「牢獄の花嫁」ですが、阪妻主演でこんなものも撮ってました。レアもレアなサイレント作品。めったに上映の機会はないそうです。まあ17分だからねえ。でも雰囲気はいい。

「主従無常」
 月形龍之介主演、悪人が一人もいないのに、武士道の意地から親しい主従が仇同士の関係に引き裂かれてしまう。まさに無常。これ、サイレントだといい感じになりそうなんだけどな。監督も聞いたことない人だし、テンポも悪い。ウツラウツラしてしまいましたよ。むろんこれまた不完全で45分しか残ってないんだけど。

「野狐三次」
 今回見た中では一番面白かった。女装のうまい町火消しの三次が変装を生かしてかわいいあの娘のために悪人一味と大立ち周り。結構ポピュラーなヒーローだったらしいけど、忘れられてますね。武士じゃないので、刀を使わないアクション、というのがポイントです。

「大江戸七変化」
 クレージーもので知られる木村恵吾の初期作品。今回唯一の戦後作品(1949)ですが、これまた欠落だらけ。一応、大岡越前ものです。主演は右太衛門なんですが、妙にテンポが悪くて眠かった。
posted by てんちょ at 01:54| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイレント映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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