2012年11月20日

「影法師」

 神戸映画資料館でまたまた井上陽一氏の活弁上映会!というわけで行ってきました。今回は阪妻の「影法師」ですよ。二川文太郎の代表作のひとつで、個人的には「雄呂血」よりも好きです。

影法師 [DVD] / 阪東妻三郎, 高木新平, 中根龍太郎, 牧野輝子 (出演); 二川文太...

影法師 [DVD] / 阪東妻三郎, 高木新平, 中根龍太郎, 牧野輝子 (出演); 二川文太郎 (監督)

 そしてこの作品、マツダ版とディスクブランのDVD版の両方でも見てる

江戸怪賊伝 影法師 [VHS] / アポロン

 ストーリーはごく他愛もない義賊の物語ですが、恋に狂って道を見失うところが非常に現代的。でも演出がカラッとしてて気持ちよく見られるので結構娯楽作として気に入ってます。

 実はどちらも少しずつ微妙に欠落してて、両方を見て初めて全体像が分かるという状態。せっかくだから繋ぎ合わせて最長版を作ってくれればいいのに。手持ちのDVDで作ってみようかな。マツダ版は岡っ引きの手入れにあって替え玉で逃げるシーンやお嬢様に説教されるシーンがない。これに対してディスクブラン版では偽影法師のくだりがなく、影法師が恋に悩んで悶々とするところがない。そして何よりラストシーンの逃避行がなく立ち回りの途中でぶった切られている。

 つまりディスクブラン版は恋に狂って切り死にすることが暗示されているし、マツダ版は続編への余韻を残して終わる、というわけでまるで別の作品のよう。ちなみに続編は5分しか残っていないので、ディスクブラン版のような形に後に加工されたとみるのが妥当でしょう。

 ちなみに神戸で見た活弁版はそのどちらでもなく、マツダ版に近いものの、影法師が恋する娘との出会いのくだりがまったくない(笑)ため、「恋」と言われても少々困る(^^;

 まあそれでもそこは井上弁士、いろいろと工夫をこらして楽しく見せてくれました。チャンバラの楽しさという点では十分に合格点。ただ、ストーリー的には少々問題ありでして、申し訳ないと思ったのか、後年のトーキー作品「血煙高田の馬場」を音声を消して活弁で見せるというもう一本サービス上映をしてくれました。なんと太っ腹!トーキー版では見たことがあります。舞踏を殺陣に取り入れて非常に軽快な様式美とともに見せる作品でしたから、確かにサイレント的でノリは上々。これは一見の価値ありました。
posted by てんちょ at 01:28| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | サイレント映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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