2006年10月29日

ツバサ・クロニクル第51話「凍てつくミタマ」

 いやぁー最後の最後。がんばりましたね!モリヲカ氏。前回の社長の投げやりというか珍しく疲弊しきった演出に、さすがの真下応援ブログとしても動揺が否めなかったのですが、弟子が見事に立て直してくれました。半年かけてモリヲカ氏を応援してきた身としても、とてもうれしい「卒業制作」となりました。今後、一本立ちした後もぜひ注目していきたいと思います。がんばってください。なんかいろいろ言われたとは思いますが、第35話の映像シャッフル演出は、今後独自のカラーとして伸ばせる可能性を秘めていると思いますので、懲りずに何度もチャレンジしてみてください。

 今回何がすばらしいって、演出としてきっちり意思が隅々まで通っているということ。やはり作り手の顔が見えないと「監督」を置いている意味がない。アニメーションの現場においては、本当は非常に優秀な作画監督がいれば監督がいなくても作品は完成する、と言っていたのは押井守でしたが、監督を置く以上、監督が空間と時間の構成に自らの意思を徹底させる必要がある。それを徹底できている演出家がはたして何人いることか。

 そんなこんなでこの51話。ここんところ散々に足を引っ張っていたカオスの中の人のセリフをギリギリまで削り、絵としてのカリスマ性を上げることでカバーする、という演出は大正解。そもそもこんな人使わなきゃ、こうまでする必要はなかったわけですが(笑)。避けられぬ災難には、知恵と勇気で当たるほかない、というのは昔からのならわし。

 師匠に比べるとややカット間のつながりが弱いですが、ラストの剣戟シーンは本当に見事だったと思います。ここぞ、というところで惜しみなく枚数を消費しつつ、止め絵もテンポ良く挿入してメリハリをつける、という師匠直伝の演出作法はしっかりとマスターしてますね。

 なお、地味な場面ではありますが、小狼君が特訓で枯れ枝を2回切るシーンは、実に見事な演出でした。確かに2度目のシーンは、腕が上がっているのが納得できるから。さりげない動きの中に情報を盛り込むというのが一番難しいはずなので、これはうなりました。最終的には担当した作画マンさんの腕もありますが、納得できる動きを引き出したのは監督ですからね。

 それにしても、今回は「にせものの記憶」ですか。これは川崎氏か真下のアイデアなのかな?まるでP・K・ディック(米のSF作家)みたい。結構びっくりしました。そう来たか。思えば当然あってしかるべきなのにとうとうCLAMPが盛り込まずじまいで終わってしまった設定を皮肉たっぷりに追加していったこのアニメシリーズですが。最後の最後までやってくれます。本当、どうして原作にはなかったんだろう。ないよね?なかったはずだが(^^;

 そして次回は最終回。うーん。どうやら飛王との直接対決は描かずに終わるのかな。多くの部分を謎のまま投げ出すと。まあ、それも真下らしくていいですが。「カードキャプターさくら」のように完結篇は劇場版にする、という手もありますが、現在に至るまで何の情報もないということはそれもないんでしょう。

 まあ、泣いても笑っても最後。すでにCLAMPとの対決は勝敗が決定しておりますが。最後はまた別。長く真下ファンをやっている身としては、謎を解決しないまま投げ出すのは一向に構いませんが、問題はその投げ出し方です。「MADLAX」のように「さすが真下」とうなってしまうような投げ出し方はなかなかできるもんではないでしょうが、なんせ52話も続けてきたシリーズです。このシリーズのコンセプトであった「悪意」もたっぷりと効かせていかにも真下らしい結末を見せてくださいまし。

 本当に期待してるんですからねっ!(^^;
posted by てんちょ at 15:50| 🌁| Comment(4) | TrackBack(6) | ツバサ・クロニクル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こないだ近所にオープンしたレンタルビデオ屋に行ったところ、「絶対少年」がありました。
喜んだのもつかの間。よくよく見ると、「21話までしかない・・・」とほほ。
お金に余裕ができたら借りようかと思います。
「蟲師」はありませんでした。

その前に、溜めている「ツバサクロニクル」3話分を見なければ・・・。

ところで、BBSのほうに珍しくお客さんが来てますぜ。レスしないと。
Posted by ポール・ブリッツ at 2006年10月30日 16:55
おお、ありましたか。絶対少年。本当、そろそろ総合テレビでもやってほしいですよね。ツバサ・クロニクルの後番組どうするんだ、と思っていたら、えっ、また第2シーズン再放送するの?どんだけこの番組が好きなんだ、NHK。

お、BBSにお客。ありがとうございます。さっそく接客してきます(^^;
Posted by てんちょ at 2006年10月31日 00:57
お久しぶりです(この類で何回始めたことでしょう…)

いやぁ〜〜真下を応援する立場としては難しい局面にきましたな、こりゃ。

とりあえずカオスが神ならぬ紙! なんか強いはずなのに、強いよう演出しているハズなのにそうとは見えないのは、最後を締めくくるラスボスとしては不適格なような……。

それもこれも(飛王がいるというのに)唐突に出てきた癖して、ここまで強いのだという決定的な要素が欠けていて(必殺技の電撃が強く見えないのも一因)、それだけならまだしもサクラに執着するそのサマが小物っぷりを露呈させてしまっているから。
この二点も、まあおっしゃられるように声優が良ければ解決できないこともない(厳しいかな?)のに紙! これではどうしようもない。

その点、モリヲカ氏は頑張っているのではないでしょうか。
今回、話の力点を剣戟を除いてはカオスを中心にせず、小狼達に力点を置いてシーンを作っていること。これだけでカオスに薄っぺらくやられることもありませんから。これが成功の要因なのではないでしょうか。
さらに言えば、記憶が偽物だとわかったときのサクラの反応が細かくできていたのにはなかなか唸らせます。卑怯、の一言でカオスの存在を印象付けてしまうのはなかなかですし、やはり牧野由依という声優はカードキャプターの連中が言うほどには悪くはないんじゃないかという気になってきた。というか連中はただその頃の「さくら」に固執しているだけではないかと。

とりあえず最終話もカオスをどう扱っていくかがポイントになりそうですね。それと今の今まで引っ張ってきた飛王側がどのように行動を起こすかというのもポイントになりましょうか。

個人的には飛王にはもっと動いてほしいですね。飛王が表面上取り繕っていても、小狼達を見つめる視線に独特のものを感じさせる演出が時折見られて気になっていまして。
そもそもてんちょさんのおっしゃられるように羽を集めるという点では両者共に目的を軌を一にしている。

なんかゴチャゴチャしてきたのでこの辺で。いよいよ最終話です。

追記1:『LOFT』良いですか。個人的には『CURE』なんか。まだ『カリスマ』は見ていません。
追記2:SF畑の方から「飛浩隆」について意見を頂戴いただければ。評判がよろしいので購入を検討しています。
追記3:3クール目が欲しい。
Posted by トコヤミ at 2006年11月03日 08:04
 トコヤミさん、本当、おひさです。
 まあ本日、最終話の感想をアップする予定なのであまりくだくだとは申しませんが、なんかちょっと腰砕けな真下祭りの終幕になってしまったなあと。まあ、3本同時にやるなんて普通の監督ではあり得ない話なので、その段階で仕方のない話ではあるのですが。いや、本当、第3クールやって、マジで。1クールで十分だから(^^;

 「カリスマ」はお勧めですよ。「CURE」は実によかったけど、ラストがわかりにくかったでしょう。「カリスマ」は逆にラストがとんでもない。あの衝撃はさすがに今回も越えられなかったかなーでも、「アカルイミライ」みたいな話は少々考えすぎな気がするので、やはりこういうホラー畑で仕事しているときが一番生き生きしていると思います。

 飛浩隆は、デビュー当時から知っているのですが、当時はまあなんとも「つかみどころのないはなしを書く人だなあ」という印象でした。ようやく時代が追いついたってところなのかな。復活後の新作を読むと、むしろ日本SFの黄金時代を彷彿とさせるオーソドックスな印象。不思議なもんです。科学よりアートの要素が強いですが、それはそれでいいんじゃないかと。まあ一冊読んでみて、気に入ったらどうぞ。読む人は選ぶと思いますんで。
Posted by てんちょ at 2006年11月05日 01:39
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