へうげもの 八服 (講談社文庫) [文庫] / 山田 芳裕 (著); 講談社 (刊)
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文庫版原作、重宝してたんだけど、これで打ち止めかあー後は単行本で読むしかないのか。ううむ。
さてそんな3週間ぶりの「へうげもの」、今回初登場は長谷川等伯ですか。篠原大作、今までこれといった役のない人ですけど、実は「エル・カサド」や「ツバサクロニクル」でも出演していたのね。この先が楽しみです。
そして今回徳川四天王と迫力ある対決を見せる石川数正、今回気付いたんですけどこの人、「MADLAX」のスリースピード役じゃないか!ある意味あのとんでもない作品の中で一番とんでもなかった人。こういうのがあるからキャストチェックは欠かせない。それにしても社長が見出した声優さんというのは、本当に「これは」という演技をしてくれますよね、今回は。それがうれしくて仕方がない。
まあ大倉氏もボツボツ見られる演技になってきていて、だからこそそれなりにラストの利休と織部の対論も見ごたえのあるものになっているんだけど。今回中盤の真下演出の目玉は「大林組CG」(もう勝手に命名・笑)ここまでやるとさすが黄金の茶室も映える。だんだん動きがワルノリになってきてますけどね(笑)いや、そこがいい。それにしても、さすが色の巨匠、黄金の茶室シーンの迫力は絶品でしたね。ここはいくら原作ががんばってもかなわないよなあ。
しかし今回最大の見所は、江原秀吉の能楽シーン。これはもう恐るべき緊張感に溜息が出ましたよ。なんというクオリティ。「猿真似で結構!」と開き直り、朝鮮出兵を決意する秀吉。対する関さんの光成もいい味です。まさしくお互いに真下組長いベテラン同士だからできる阿吽の呼吸ですね。この当意即妙の張り詰めた空気が能楽のリズムとぴたりと合い、スッと伸びる日輪の扇子に拍手喝采。ここで信長の「血分け」の聖体拝領シーンを見せられて「ああ、あそこで原作よりもキリスト教寄りに演出した狙いが生きてくるんだなあ」としみじみ。
やはりこれがないと始まりませんね、ええ。
外側を見ているときは欲しくはなかったけれど、内側を見ると急に欲しくなった。
茶道具は魔物だなあ。まあ千金を積んでも買えないし茶の湯をやる気もないから別にいいけど。
いや、そんな大した額の茶碗じゃないけど、なんとなく雰囲気だけでもと。