2006年07月09日

ツバサ・クロニクル第37話「おえかきモコナ」

 一応、前回、申し上げました。

「今回は真下版『トーキングヘッド』になるかもしれない」

と。冗談のつもりだったんだけどな。本当になってしまいました。監督はモリヲカ氏なんですけど、どうみてもこんなネタを出すのは真下です。後始末を任されたモリヲカ氏、ご愁傷さま。ムチャクチャなネタをよく健闘して独自性も発揮していたと思います。

 「トーキングヘッド」というのは、真下のかつての同僚・押井守の実写作品のひとつで、実写映画を通して独自のアニメ論を展開した異色のメタアニメ論映画。

 で、今回は「トーキングヘッド」にも出てくる「キャラクター論」を中心に展開されます。「トーキングヘッド」では、

「似ても似つかぬキャラが約束事によって同一視される」

という意味のことが言われるわけですが。今回は、ふだんと違うSDキャラの世界に放りこまれた小狼君たちがさまざまな舞台で即興芝居をするハメになるという実験的なエピソード。こんな作品、原作にあったんでしょうか。まあ、モコナの寿司食い逃げエピソード(8巻)のような番外編としてならあり得なくはないでしょうが、これはもう完全に真下のものです。なぜって、表層的には絵本の世界のように装っていますが、これはもう完全にアニメーターの世界の話として描かれているからです。

 コミカルなSDキャラの等身でいつものシリアス芝居をしようとする小狼とサクラ。このあたりはモリヲカ氏のこだわりかもしれませんね。こういうところに演出家としての力量が問われますから。結果としては、口端に笑みを浮かべつつも完全なギャグとはならず、なんとも不思議な雰囲気を作り出すことに成功してしまいました。誠にもって天晴れというほかありません。ふたりの長く伸びた影がいつもの等身になっている、という凝った演出にはうならされました。本当に、「キャラクターとは何だろう」と考えずにはいられません。

 後半はモコナの作り出した世界でのドタバタなのですが、これがアニメのルーチンワークに対する痛烈な皮肉となっているのが面白い。ある日転校してきた少年はヒロインの隣の席に座って恋をしなくてはならない、ってそんなこと誰が決めた(^^;でもそうなっているのが現状であるわけで。そして少年と少女の愛は世界を救う…はずがそうはならず別の人の愛で勝手に世界が救われてしまう。

 これはまさしくCLAMP原作に対する真下の立ち位置でもあるなあ…さすが有能な側近でもあったモリヲカ氏、そのへんはよく心得てる。やっぱり、これ、真下のオリジナル作品と考えてよさそうですね。まさかこんなものまで入れてしまうとは。第1シーズンで巧妙に隠されていた毒や皮肉がだんだんあからさまになってきました。大丈夫かな(^^;

 次回もオリジナル?カーチェイスですか。映画ファン真下のこだわりを見せていただきたいところ。次回も楽しみです。
posted by てんちょ at 01:40| 🌁| Comment(2) | TrackBack(9) | ツバサ・クロニクル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この番組であの絵ということは、一大スラップスティック・アニパロ大会をやるものだと思い、期待していましたが・・・前半のシリアス芝居は不思議な味というよりは中途半端さが目立ち、後半はギャグのパワー不足ということで、あまり楽しめませんでした。期待が過剰だったのでしょう。唯一笑えたのは、あの絵とあのシチュエーションで、コーラスつき梶浦音楽がバーンとかかったときだけでした。これはてっきりCLAMPの原作つき、そうでなくとも原案つきだと踏んでいたのですが・・・真下監督オリジナル? そうかなあ。
少なくとも、モリヲカ氏にはギャグの面でも修行を積んでいただきたいと思います。
あと「小狼とサクラがさまざまな妨害によりキスできなかったのは契約のせい」だということをもうちょっと作中でアピールすることが必要だったのではないでしょうか?
Posted by ポール・ブリッツ at 2006年07月09日 13:30
 まあ、真下率いるビィートレはあんまりギャグはうまくないので、そのあたりはあまり期待しない方がよいかと。ヒネた展開のおもしろさ、というのはあると思うんですけどね。
Posted by てんちょ at 2006年07月10日 18:03
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