何かもう予想をはるかに超えていろいろすごいので、何から話せばいいか…そうですね。当然のことですが大谷さんの音楽は最高です。どちらかというと土俗的な色彩の強い男性的なリズムが非常に効果的で、華麗な梶浦サウンドをあえて避けたのは正解かなと。何よりも音楽の攻撃的・衝突的な使用方法はまさしく真下印で、信者には大いに楽しんでいただけるんじゃないかと思います。真下はこういう風に、映像と音楽を対立的にぶつけるんですよね。その衝撃力は今回も健在。
そして真下のもうひとつのトレードマークである色彩。配信の予告映像を見た方は気付いておられると思いますが、例の極彩色の上にサッと薄墨を塗ったかのようなくすんだ画面が非常に特異。なんとも思い切った手段に出たものですが、残虐美よりは耽美を重んじるのが今回の作戦じゃないかと思います。そして今のところ、それはまったく成功していると言っていい。「無限の住人」序盤のウリである人体解体の残虐美を、非常に巧妙な形で改変してみせることによって、衝撃力は失わずに実に想像力を刺激する映像の連打へと化学変化させてしまう。こう来たか。
さらに一点。断片的な映像を積み重ねることによって、情報量を極限まで引き上げていくスタイルも健在です。ベースは第1話ですが、凛も天津も登場。それどころか吐や百淋(真下番・豊口めぐみ!)まで出てきます。これは予想以上にすごいスピードになりそうだなあ。しかもぜんぜんあらすじっぽくなっていない。原作の物語性を大胆にそぎ落とし、物語を端折るのではなく、断片的な映像の積み重ねとして見せることで、同等以上の効果をあげる特異な演出スタイル、今回も遠慮なくやってくれています。
映画史的な引用が随所に織り込まれているのも映研出身・真下ならではで、原作では路地裏みたいなところで卍に斬られていた町の夫も、半壊した羅生門で対決することになっている。こういうの、映研後輩としてはワクワクしますね。あの壊れ方、まさしく黒澤明の「羅生門」ですから。
チラチラ見ていたうちの家族が「エロい」と言ってましたけど、そのへんも同感。でも別に巨乳の巫女さんが空から降ってきたり、獣耳のセーラー服少女がブルマー姿で空を飛んだりするわけではない。ていうか、そういうあからさまに男の欲望を露出させた作品って、見ていてムカつくだけなんですけど(^^;エロって、もっと想像力に満ちたもんじゃないでしょうか。この第1話では、町の肩が見えてるぐらい。ところがこれが異様にエロかったりして。あと、彼岸花がなぜかエロい。そういうのが本当の「映像のエロティシズム」ってもんでしょう。このあたり、映画マニアとしての社長のこだわりを感じますよ。
なんかもう、すごく濃密で、二週間に一度でちょうどいいぐらいかも、と思ってみたり。ひとまず、来週はもう一回同じもの見てみようかな、なんてね(^^;
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さてさて、無限の住人。DVDが楽しみです。
監督の「これはエロではなくエロス」発言やてんちょさんの発言で思い出したんですが、映像技術が行き詰まった現代、映像にフェティシズムを取り入れるといいそうですね。
何でも「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は、昔ながらの特撮を再現する事を徹底したんだとか。
それから、最近ドラマで、やたらカメラが音立てたり画質調整しまくったり原色照明使ったりしてるのありましたが、やりすぎて大味で凄いかったるいんですね。
それに対しこっちは、そういうの使いながらもかなり洗練された演出が観られそう。参考にせねば。
うーん。そうですね。いかにもテレビって画面というのは、何よりも照明でしょうね。テレビは本当に直接照明をべかっと当ててしまってるから。間接光をどううまくつかうか、どう照明を配置するか、に映画はすごく気を使いますから。真下の作品見てると、光源をちゃんと考えているのが分かる。あとは奥行きをどれだけ作れるか、かな。そのへんが同じFROGMANでも「菅井君」はテレビだけと「鷹の爪」は映画だったということで。
まあ、真下社長、映画研究会出身はダテじゃないですよ。大学時代の作品、見てみたい。見せてくれないだろうけど(^^;