元寇の緒戦、惨憺たる負け戦に終わったという対馬の戦いをわざわざ作品化しようというのが、面白いです。実際、そのへんのチャラいファンタジーがまったく太刀打ちできないほどに、作りこまれた形で異文化同士の戦闘を描いてみせる。これぞ、アニメの強みを生かしたアクションでかね。まあ、作画をする方は本当に大変だと思いますが。
実のところあまり期待していなかったんですが、この本気ぶりには頭が下がりますし、これは歴史マニアとしては見ないわけにはいかない。九州での合戦を描くのであれば戦前の映画「神風」のようなプロパガンダとなりがちなんですが、これは最初から負けが決まっている話。ならばそけをどう面白く見せるか、どう納得できる形に着地させるかというのは、なかなかの腕の見せ所でしょう。
絵空事ではなく、当時の鎌倉武士と地方豪族の描き分けなどもきちんと見せて、なおかつ新しいプラスアルファがあるという。蒙古がモンゴル語でちゃんとしゃべっているというのもすごい。
西明日香が外国語をしゃべる役をやっていた、というのは、これか、「天狼」かどっちかかなあ。こちらだとなお面白いんですが。