2017年08月07日

「メイドインアビス」#5

 まだまだアニメの演出でできることってあるんだなあと思います。それなりのスピーカーをお持ちの方は、ぜひとも立体音響を体感してください。これが劇場版ではなくて、テレビアニメというのがなんとも豪華すぎる。



 特に今回の目玉、火葬砲の発射シーンのサウンドがいやはや実に凝っていることといったら、本当に感心しました。空気を貫いていく感じ、音によって表現される奥行きの表現は実に見事というほかありません。あとは逆さ森で次々と木々の間を突っ切って飛び渡っていく時の空気を切る音とか、本当に凝っていましたし。割とありきたりの音響でごまかす風潮が続いている中にあって、声優以外の音響づくりにここまで凝った作品はなかなかなかったと思います。Fateとかのバトル作品でもここまで凝ってはいない。それはたぶん、この作品が極めてシンプルな異世界冒険活劇だと最初から分かっているからなんでしょうね。

 いろいろなキャラと要素をぶちこんでなんだかよくわからないラブコメに堕してしまっている作品が大半の中にあって、キャラクターも設定も極限まで絞り、ただひたすら降りていく異世界冒険ものとしたこの作品は、本当に今時珍しいシンプルさ。でも「ああ、冒険ものって楽しかったなあ」と初期宮崎作品を初めて観た時の感動を思い出させてくれました。

 しかも、みんな言ってますが、派手なアクションシーンではなくて、レグの腕を水平に伸ばして切り立った谷を渡るロープウエイ的な場面とかで、結構ジーンとくるのが面白いですよね。いかにそういうシンプルな作品がなくなってしまったかということでもあります。現在はゲームの方でも、やたらパーティを増やした書き割り的RPGばかりがもてはやされてますからねえ。凝るべきは世界の作り込みの方だろうに。

 その一方で、強くてまっすぐなレグといい加減に見えて精神は強靭なリコのコンビはキャラ設定としてもなかなかよく考えられている。キャラクターというのは、ツンデレとか熱血脳筋とか、パラメーターを一方向に振り切った記号として見せるのではなくて、その世界を魅力的に表現するためにベストな形というのがあるはずなのですよね。

 本当、この作品もそうですが、今期はスロースタートながら尻上がりに評価を高めていく作品が多くて驚きます。それはそれでもうけた気分になるからうれしいんですが。「正解するカド」みたいにラストで大コケするよりはよっぽどマシで。かといって、1話斬りした作品も今は面白くなっているかも……と思うかというと、それはあんまり感じることがありませんで。やっぱり地味な作品でも、最初から「これは見なくては」と思うオーラというのは、違って見えるものですよね。
posted by てんちょ at 00:00| 大阪 ☀| Comment(0) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする