2016年09月20日

「ライト/オフ」

 なんかヒットしませんでしたねーもう今週末で終わりのようで。慌てて行ってきました。



 でも無理して行って良かったですよ。まだの方で行く余裕のある方はぜひ。低予算ホラー映画って「パラノーマル・アクティビティ」でだいたいやれることをやってしまった感があると思っていたんですが、まだこんな余地があるんですねえ。

 主要登場人物はわずかに5人、主な舞台はたった二カ所。それでここまで怖くてオリジナリティのある表現が可能になるとは。暗闇にだけ出られる怪物の話、とはまた古風なと思いましたよ最初は。でもあまりに前評判がいいので観てきました。地味すぎたのか一か月もちませんでしたけど、観られた人はラッキー。今時スプラッタ要素を使わずにここまで怖い作品ができるとはお見事。

 確かに暗闇への人間の本質的な恐怖を利用しているあたりアイデア的にはやや凡庸かと錯覚してしまうんですが、普遍的な恐怖であるぶん、うまく使えばまだまだ強力に効くことを証明してくれる作品でした。でもこれ、間接照明主体の欧米圏だから通用する話ですよね。部屋の隅々まで煌々と明かりで照らす日本だとあり得ない。間接照明だと灯りをつけてても薄暗い部分がいっぱい残っていて、どこから襲われるかわからない。これが怖い。そして、どうやって灯りを見つけて反撃していくかというのもある意味で勝負所。そういう見どころポイントがいくつもしつらえられているのがこの作品のうまさ。

 ある意味非常に通俗的なびっくり箱映画なのですが、その分、うまく作りこまれていると非常に「効く」ことになります。この手の映画では勝負どころがふたつあって、それをうまくクリアできるかが作品の出来を決めることになります。ひとつには怪物の成り立ちと発生の理屈づけ、そしてもうひとつにはどのようなオチで締めるか。どっちもなかなか唸らされる秀逸さでした。今時ここまでできるのか、それもホラー映画の文脈から大きく外れることなく。まさに王道中の王道で、ここまでできるということに勇気づけられるし、大いに喝采したいところです。お見事でした。もともとは配信動画のショートホラーとのことですが、次回作も楽しみになりました。
posted by てんちょ at 00:00| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする