2016年05月02日

「迷家」#4

 これはまたひねった方向に打ち返してきたなあ。



 前回のラストでついに最初の死体が登場し、いよいよ一人ずつ死んでいく「そして誰もいなくなった」展開か、と色めきたったんですが、今回はむしろ本当に死体だったかどうかが曖昧になってしまうという予想外の展開に。いや、実はちょっとそんな風になるんじゃないかなという気もしないでもなかったんですよ。

 ここまでの初期設定がいかにも「みんなで殺し合う」もしくは「一人ずつ死んでいく」系のホラーかサスペンス系作品の雰囲気があまりにもあからさまでしたから。しかもみんな身勝手で壊れた性格の「死んでも誰も同情しない」系のキャラクターばかり。ここまであからさまだと逆に…誰も死なないんじゃないか、とちらと意識をかすめたわけですが。

 でも、それじゃあ13話もたせるのはちょっと無理。ひょっとして水島努監督と脚本の岡田磨里氏の間で

「どこまで死体を出さずに怖がらせられるかやってみるか」

 という話でも出たんじゃないかと。近年のアニメシリーズ特にオリジナル作品の場合、ごく初期に「こういう方向で話が進みます」というルール説明を示した上で話を展開していくのが鉄則になっています。そうでないと、視聴者がどう観ていいか分からず混乱して話が空中分解してしまう。まあ実際「びっくりさせてやろうぜ」と意気込んで混乱の末空中分解した大失敗作は死屍累々たるありさまですが(^^;

 ただ、ことこの作品に関しては今のところうまくまわっているんじゃないかと。SFやファンタジー系の作品と違って、現代の架空度の低い状態から話がスタートしているし、なんとなく「サスペンスホラー的な方向に進む」という前提で話が進んでいるからです。なかなかうまいなと思うのは、ここまでの展開で「この先どう進むか」という方向性そのものがサスペンスとして機能するようになってきているということでした。

 視聴者が気にしているのは犯人のいるリアルなサスペンスに至るかそれとも怪物の登場するファンタジーホラーに向かうかということだと思います。いかにも不自然な言動を繰り返す人々が何人もいる一方で、怪物の咆哮(しかもどこか人工的な)がわざとらしく響いたり、幻覚めいたものを見たと証言する人が何人も出る。視聴者が見ているのは誰かの主観なのかそうでないのかは巧妙に隠蔽されている。その一方で山からは下りられず村からの脱出は困難。これはいかにもファンタジー系ぽいのですが、最初に渡す地図に細工をしておけば、別に難しくはない。

 というわけで、目下この先がどうなるかを巡って盛んに議論が繰り返されているわけで、ここまでは制作陣の狙い通りでしょうねえ。うまいことやったと思う。ただ問題はここからで、来週どうなるか。ただひたすら曖昧に13話まで乗り切れるとは思えないわけで。どこかの時点でいくつかの要素が捨てられて新しい展開が見えるはず。そこがひとつの勝負どころかもですね。
posted by てんちょ at 00:00| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする