2016年04月18日

「キズナイーバー」#2

 なんか若い衆の評判が悪い。まあ、わからないではないんですが。妙にモヤモヤしてカタルシス感が低く、しかもリストカットや自傷行為を想起させる展開とあればそれはまあ、ねえ。



 でも、安易に取り入れているわけではなくて、「痛覚とはなんだろう」という哲学的なレベルまでとことん考え抜いた設定がいい。「わけがわからない」と評判の悪かった「自分の一番知られたくないことを公表する自己紹介」も、いわば「人格改造セミナー」のノリで、オウムが跋扈しエヴァが流行った90年代にやたらと展開された企業流の洗脳テクニック。ただし、これは無条件の忠誠と終身雇用が等価交換だと思われていたバブル末期ならではの手口で、使い捨てが前提となったゼロ年代以降のブラック企業はその技術を継承できていません。まあ実際、やっても術にかかりませんわ。一方的に奴隷化できたら、と連中も思うはずですが、残念ながら何かエサがないと人は権利を差しだしたりしない。

 そこで、痛覚で関係者をつないで、むりやり感情を連携させていく、というこの作品ならではの手口が登場するわけです。痛みの共有は一見良いことのようにも見えますが、現象と結果のつながりを絶ってしまう、つまり「なんで痛いのかわからない」状況を生み出してしまうので、実は無気力感を誘発させる危険がある。実はそのあたりを了解の上で、市長以下いかがわしい大人たちは子供を洗脳する新しいトリックを模索しているのではないかと… まあ、この状態ではまだまだピースが足りませんが。ともかくもなんかいかがわしい感は満載。

 鋭い人は既に気付いているようですが、ここは橋一本で結ばれた閉鎖都市。つまり、実はこの街はバーチャルワールドである可能性もあるわけですが、さて。

 ともかくも先を観ていくしかなさそう。でも個人的には面白く観られそうで楽しみです。
posted by てんちょ at 00:00| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする