2008年04月30日

「紅」第4話

 それにしてもこの物語、冷静に考えれば誠に荒唐無稽。そのお約束に乗っかるのではなく、荒唐無稽さをあげつらうのでもなく、違和感のあるものを違和感のあるまま描こうとするのがこの「紅」の特異なところといえるでしょう。

 じわじわと妙な設定がにじみ出ているわけですが、登場人物たちにとってはそれが当たり前の世界、しかし実にあり得ざる設定を何とも妙な違和感のままに描き出している。原作のイラストを見れば、まさしく「そういう世界」の話だというのは明白なわけですが。

kurenai1.JPG

 それを一挙手一投足を緻密に描き出す超リアルなスタイルがすさまじい。何しろ「クズシ絵」のマンガ的表現が一切なく、とことん実写的に細部まで描き出していく。むろんそれは実写そのものとは大きくかけ離れた間接的な表現であるわけですが。そこに「二の腕から刃が突き出す」といった荒唐無稽な表現が混入することによって大いに表現が混乱する。それを意図的に投入することによって、身体の違和感を描き出すのが松尾監督の作戦というわけですよね。上の原作イラストと比較すれば差異は歴然。

kurenai2.bmp

 違和感は果たして空間から排除すべきものなのか。そうでない可能性もあるのではないか。そのあたりも含めて、実に趣の深い、考えさせられる演出といえますね。まさしく、「実写とは異なるリアルさ」を確立した日本アニメならではの表現のある極北。わずか12回で終了だそうですが、どう終わるか、それもまた注目です。
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2008年04月29日

おねがいマイメロディきららっ第4話

 「もう見ない」と言いつつ、やっぱり見ているうちの家族…(^^;

 「きららはきっと最後に死ぬに違いないわ。だからそのあと出てこないのよ」

 そりゃいくらなんでもシャレにもならないが(笑)まあ13話で旅立ってそのまま忘れ去られる、とかいうのはアリですな。公式HPでも「歌ちゃんを出せ」「柊先輩を出せ」の大合唱だもんなあ。

 あいかわらずショボい第4期ですが、マイメロ様らしい黒さが久々に見えたエピソードでありました。そういう意味ではちょっとうれしかったかな。フラッシュ作画のチープさが炸裂していたのは残念の極みですが。

 前半では風邪をひいたクロミのところへ押しかけるマイメロ様。濡れタオルをまったく絞らずクロミの額に置く。バク君相手に至っては、呼吸できないように濡れタオルで顔全面を覆う!犯罪だ犯罪だ(笑)
 「マイメロ握力がないから」
 としゃらっと言うマイメロ様ですが、ならいつも夢野家でどうやって掃除してたんだ(^^;

 「そういうのはイヤガラセっつうんだよっ!」

 とのたまうクロミ。とうとう公式で「いやがらせ」が認定されたか。感慨深いなあ(笑)

 そして後半はクロミの大量増殖。なんかパソコンコピーして貼り付けてるだけなのが悲しいですが。クロミロボ=パンダーZが久々に登場したのはなんかうれしかった。

 しかも夢オチ…と見せかけて

「クロミが目を覚ましてみたらマリーランドは滅亡していました」

 うひーなんてオチだ。しかもフォローないままEDへ。

「ということは最終回?」

 とうちの家族。いや、違うと思うけど(^^;果たして次回、フォローはあるのか??
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2008年04月27日

狂乱家族日記第2話

 驚き。第2話で立て直してきましたね。意味のわかりにくい第1話とは雲泥の差だわ。こういうこともあるんですねー

 確かにあのハチャメチヤな第1話から一転して「いじめ」というシャレにならない話題を取り上げるというのは、第2話としていかがなものかという気もしないでもないのですが、語り口はかなりうまくて不快さを感じないように最新の注意が払われている。本当、同じ作品とは思えない!

 唐突に寄せ集めで作られた家族がひとつになるための乗り越えるべき障害として考えればなるほどうまいかなという仕掛け。まるで空回りしていた第1話に比べれば、家族の各メンバーが一致協力してそれぞれの特徴を生かしつつ問題にあたる、という見せ方は実にうまい。

 それに何よりも、今回は凶華がその中心にあって圧倒的なカリスマ性を発揮している。なるほどこれならこれぐらいえらそうでも納得するよ。メチャクチャやっているようでいて妙に正鵠を射ているし、作戦はアナーキーなようでいて効果は絶大。しかも実に凶華らしい。相変わらず猫耳の意味はよくわからんが(^^;

第1話からみればはるかにパロディホームドラマらしくなったというべきでしょうね。これならばこの先見続ける価値はありそう。

 ただ気になるのは、原作では開巻早々に明かされている凶華の背景がまったく隠されているのは何か意味があるのでしょうか、ということ。劇的な何かを狙っているのかもしれんけど、かえってわかりにくくなっているのはどうかと。どうしてもやりたいというのであれば、とりあえず納得できる疑似餌を投げておく必要があったんではないかな。そういう点では、この作品、演出の側に問題があるのかもしれない。
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2008年04月26日

無限の住人最新情報9

 Billさんところの米英ビィートレサイト「Bee Train Fan!」からの情報です。先日東京アニメフェアで上映された映像が、Youtubeに上がってきました。



 Billさん感謝。それにしても米英のファンの情報の早さにはいつものことながら驚かされます。

 Billさんところの皆さんは「未来日記」に期待してたぶん脱力感が大きいようですが。

 「もっとYuri成分を!」

 ってまあ、それは気持ちとしては分からないでもないんだけど(^^;「無限の住人」に関しては耽美なエロス度がかなり高いようでこれはこれで期待、って感じでしょうか。

 韓国の朴さんはもともとリアルタイムで原作を読んでおられたようだから、もちろん期待しておられるんだろうけど。米英では翻訳コミックも出ているというのに、ビィートレファン層と重ならないってことなんでしょうか(笑)
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2008年04月25日

無限の住人最新情報8

 では本日も引き続き最新情報をば。

 まずおさらい。AT−Xでの放映は隔週で7月13日(日)24:00〜だったわけですが…その翌週の土曜日にリピート放送があるらしい。つまり、第1回のリピートは7月19日(土)19:00〜

 あと、DVDは8月下旬より早々と売り出されるそうです。CS見てなくても早めに買えるよ〜ということなんでしょうが。ほとんどOVAのノリですね。

 「アフタヌーン」ではようやく本編映像の一部が掲載されてます。

mugen4.JPG

 EDテーマを歌うのはGRAPEVINE。…人間椅子じゃないの?
 EDは早くも5月21日シングルCD発売。「CORE/Wants」
 初回は「無限の住人」ステッカー入りだそうだけど、うーん。別にいらんわ(^^;

 本編音楽は大谷幸さんですが。7月16日に早くも「無限の住人オリジナルサウンドトラック」がポニーキャニオン(PCCG-00897)から発売されるとか。こっちはほしい(笑)
 大谷さんのコメントも載ってました。

 「真下監督との打ち合わせは、作曲家にとっては、非常にシンプルで、簡潔で、それでいて無数の『可能性』を秘めたものだった。その作曲は、灯りのない、曲がりくねったトンネルを、手探りで出口に向かうかのごとく、多くの危険をはらんでいたから、『自分の才能の新しい構築』これが、自分に課したテーマだった。」

 どうでもいいですが、大谷さんの文章って句読点が多いなあ(笑)それはそれとして、例によって社長の「歌メモポエム」に大谷さんも苦労した形跡が(^^;

黒衣鯖人役のわれらが江原正士氏のコメントも出ているのでのっけておきましょうね。

 「鯖人を演じるのは、苦しかったけど楽しかったです。お馴染みの詠は歌う、というよりはむしろ語る意識で臨みましたが、結果は如何に?」

 いやあ、これは楽しみだ!

 完成披露試写会もあるそうですが、大阪名古屋・東京で計1000人招待、って、これじゃあ、行ける可能性はほぼゼロですねえ。

大阪=6月29日(日)13:30〜
名古屋=6月29日(日)19:00〜
東京=7月6日(日)18:00〜

 東京の今月末の有料イベントももう満席らしいし。誰か切符取った人いたら、報告よろしく(^^;
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2008年04月24日

無限の住人最新情報7

 「アフタヌーン」の今月号が発売されました。待ちかねてチェックしてみました。最近は、「無限の住人」関連の情報もありませんでしたからねー

 AT−Xでの放映開始は7月13日(日)深夜24:00〜

 ただし、隔週放映になるそうです(^^;

 おお〜なんだそれは。放映期間中だけ加入しようと思っていた私なぞはどうすればいいんですか。なるべく長く加入し続けさせるための策略ですか。いやまあ、そうじゃなくてクオリティ上げるためだと思うけど。納期厳守派の真下社長にゆったりスケジュールは似合わないのではないかな。

 でもまあ、決まってよかった。ひとまずそれを目指してサイトが続けられる(^^;なんせこの春のアニメはヒドかったからなあ。春スタートにしてほしかった。

 まだまだ情報ありますので、明日引き続き情報をアップします。
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2008年04月23日

「図書館戦争」「二十面相の娘」

 最後の2本が関西でも登場し、これにて関西の4月スタートアニメも出揃った次第。一番期待していた2本が一番最後、ということでそれはそれは待ちわびていたんですが、うーん。なんとも微妙なできばえであることよ。

 「図書館戦争」は、割と評判いいですね。しかし、第1話を見る限りでは、あたしかさんが指摘しておられるとおり、どうみても「固い表紙のラノベ」という感じ。私は原作は未読なのですが、こんなお笑い種な設定は到底受け入れられない。本当に原作からこんな感じなのか?何の悪い冗談だ。

 最初話を聞いたときは、極端に検閲が進んだ世界で、個々の図書館がゲリラ軍を組織して国家の検閲軍と闘う話だとばかり思ってた。いやあ、それは燃えるなあ、と期待していたんですが、法律に守られた正規軍?アフガンのような混乱状態ならともかく、安定した法治国家でなんで矛盾した2つの法律が成立し得る?検閲軍が暴走して、対抗組織を作るというのなら、検閲軍はとっくに法的には解体されて地下に潜ってるだろうに。どっちも正規軍なんてそんな荒唐無稽な状態は到底容認できない。期待が大きかっただけに非常に落胆しております。

 「二十面相の娘」は、あたしかさんも指摘しておられるとおり、原作が異常に入手しづらい。小原慎司は実はデビュー作「ぼくはおとうと」のころから知っているのですが、「二十面相」は存在すら知らず、気付いた時には巻がかなり進んでいて驚いた(笑)。割とコロコロと作風を変える人で、「地味なホームドラマ」「アナーキーなギャグ(「菫画報」)」と来て「軽快なアクション」とまさかこんなところへ来るとは思ってもみなかった。先月まで「アフタヌーン」で連載していた「パノラマデリューション」が結構気に入っていて、こっちをアニメ化した方が面白かったんではないかと思ってみたり。最後は宇宙レベルにまで拡張する壮大なオカルトバトルアクション。実にかっこよいです。

 んで「二十面相の娘」。第1話を見た限りでは、アニメそのものよりは原作が気になりました。うーん。原作読みたい。これじゃあ、「孤独な少女の妄想が実現してしまいました」的話なのですが。本当にこんなんなの?ヒネクレまくった小原さんらしくない。小原さんの絵が動かしづらいことは認めますが、それにしても魅力にも個性にも乏しいキャラデザだし。もうちょっとなんとかならなかったものか。

 ヒロインが平野綾というのはあまりにもおもねりすぎと危惧していたのですが、これは逆にうれしい驚き。彼女がこれほどスキルの高い声優だったとは。恐れ入りました。ぜんぜんハルヒもらきすたも感じさせず、非常にオリジナルな声質を確立している。こういうのもできる人なんや。さすがダテにトップ声優やってないですね。

 逆に言うと魅力を感じたのは平野綾の声だけだったりするのですが(笑)まあ、こちらはもうしばらく様子を見てもいいかな。ただ、期待が高かっただけにちょい残念。うーん。それにしてもこの春はヒドいねえ。早くも期待は初夏の「テレパシー少女蘭」「ウルトラヴァイオレット」「無限の住人」に向かっていたりして…
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2008年04月22日

「紅」第3話

 というわけでとうとう始めてしまいました。最初からカテゴリー立てて(^^;

 第3話からとはいえ遅くはあるまい。というわけで。まさかこれを語ることになろうとはねえ。4月スタート時は考えもしなかった。とはいえ、この作品が4月スタート作品の中では突出してできばえがすばらしいということは衆目の一致するところのようで。

 毎回演出スタイルが同じ、というのは個性を意味するのかマンネリを意味するのか。結構難しい永遠の課題ではありますが、われらが真下社長のように何を題材にしても自分のフィールドに引きずり込むというのはひとつの個性。一方、新房昭之のように毎回たくさんの女の子が登場する学園ものを手がけてその演出方法が全部一緒、というのはただのマンネリのような気がする。

 ではこの松尾衡監督の場合はどうか。実は彼の代表作とされる「ローゼンメイデン」については、私はあまり評価していない。ギャグとシリアスの振れ幅が大きすぎる気がするし、引きこもり少年に色目を使ってみたり、ゴスロリに色目を使ってみたりと、いろんなものを気にしすぎて結局何が言いたいのかよく分からない。まあ、これはいろいろと何でも取り込んでそれなりに話が作れるよ、という脚本の花田君ならではのポーズが強い気がするんですけどね。だから、彼から離れた「レッドガーデン」の方が、より松尾カラーは出ているんではないでしょうか。

 当時名古屋にいたので残念ながらリアルタイムでは追えなくて、ネットとあたしかさんの助力を得て後に全話鑑賞。うーん、これはリアルタイムで追いかけたかった。最初の頃のミュージカル演出が後半ではなかったことにされたり、微妙な整合性のなさはまだ見受けられるのですが、真下のサイケカラーとも違う和風な極彩色の演出、「身体への違和感」という、生涯をかけて追いかけるテーマを見定めた決意、どんな作品でも必ずこうする、という「ガーデン式」のキャラクターデザインには驚かされました。

 だってね、「レッドガーデン」と「紅」はストーリーとしては共通点がまったくないでしょう。しかも原作付き、その確固たるイメージを持った原作をわざわざ変更して「レッドガーデン」と同じ演出を施す。これはかなりの覚悟がないとできないでしょう。

 本屋で「紅」の原作を手にとってみたのですが、要するにあれは少年学園ハードボイルドもの、という感じのものですね。いつの時代もある、別にそう珍しくもないもので。「そういう世界の出来事」と荒唐無稽さを受け入れれば楽しめるタイプの物語。

 ところが松尾監督は、いきなり何の説明もなく「オレは揉め事処理屋だ」と学生服で闘う主人公を冒頭からいきなり登場させ、設定の不自然さをわざわざ強調してみせる。しかも彼はその仕事をまるで隠さず学校でもおおっぴらにしている。これはいったいどういうことなのか?

 そう思っていると、単なる取り巻きに見えた少女たちが実は主人公と同じ側にいる存在であることがじわじわと分かってくる。平和な学園生活と殺伐とした荒事の世界、普通はこの二つをバッサリと分けてしまい、主人公だけがそのふたつを行き来しているように描くもんなんだけど、この作品では二つはかなり判別できないほどに入り混じってしまっている。主人公・真九郎は決してスーパーマンではなく、ごく普通の高校生なのだけど、極端に貧しく、ただ食べていくために、淡々と「仕事」をこなしていく。そのためには、飲み屋でチンピラを殴り倒すこともいとわない。ただし、仕事でない限りは、電車の中で不良に絡まれてもぺこぺこと謝る。そういう凡庸な少年でもある。

 といったことが、真九郎の学園生活と、真九郎を追いかけて学校にやってきた紫の珍妙な行動を交互に描くことで徐々に浮かび上がっていく、というのがこの第3話。単純なようでいて実に奥が深い。深夜主体になっていろいろと実験的な表現が競われている日本アニメだけど、まだこんなやり方があったとは。アニメ表現の奥深さに驚くばかりです。フラッシュを悪意を込めて使用した、「サイケサザエさん」とでもいうべきOPも出色。松尾監督には、ぜひこの方向でとことんまで突き詰めていっていただきたい。何が見えてくるか。最終回が楽しみです。
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2008年04月21日

おねがいマイメロディきららっ第3話

 まあ言いたいことは山ほどありますけど、ひとつには、FLASHだからと言ってうれしそうにチョコチョコ動かすなと(^^;

 改めて日本アニメの「動かさない演出」の効果を実感した次第。日本アニメの世界でどっぷりな演出家ほど、チョコチョコ動かせるのがうれしくてしょうがないんだろうけど、非常に軽薄な印象が強まりますね。

 あと、一応魔法合戦がある前半は何とか見てられるけど、特に何も起きない後半はかなり見るに耐えないですね。とりあえずしばらくは前半だけ保存するつもり。久々にマイメロママが登場しましたけど、「メタボ王子」とか、毒がふるわないなあ。「玉の輿」というのもマイメロママらしくない言いっぷりだし。

 とはいえ、あのマイメロスタッフがこんなお子様路線で満足できるとは思えないので、しばらく様子を見守りますよ。無印のころだって、軌道が安定したのは、話数が二桁に乗ってからですからね。
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2008年04月20日

「狂乱家族日記」「RD潜脳調査室」

 結局のところ、脚本に致命的な欠陥があるアニメは作品として成立し得ないということですね。

 脚本を読まずにどうやって脚本の可否が分かる、というツッコミはよく言われるところではありますが、こればっかりは脚本の問題、ということは作品上から十分に分かりますよ。

 「プロットのつじつまが合わない」「明らかに必要である何かを説明していない」「どうみても不要な設定・場面がある」

 といったことは、ある程度演出でカバーできるのだろうけど、あまりに多いと、潰しきれなくなってしまう。そして脚本家の名前を見ると「またこいつか!」ということになることはあるわけで。

 藤咲淳一というひとはまさしくそういう一人。不必要にストーリーが理解しにくい、というかまったく支離滅裂な叙述を平気で繰り出す人。真下のような感性に訴える意識的な難解さではなく、本当にただ単に不出来の結果としての難解さ。「Blood+」なんて、あれだけ意味不明の話がヒットした理由がわからん。まあ、作画がきれいだったから、というだけのことかもしれませんが。師匠の押井守がけちょんけちょんに貶しているのは意味のないことではないのですよ。

 んで「RD潜脳調査室」、またしても脚本がおかしい。第1話が真理、第2話がミナモの視点から同じ時間帯の話を描くというのはいい。ただ、途中「停電の瞬間」という非常に重要なシーンが欠落しているものだから、後半が非常にわかりにくくなってしまっている。こういうのは意図的操作ではなくて、単なるミスでしょう。こういうことをポンポンしでかす人だから。またか…という感じ。どうもこれも斬ることになりそうですね。

 んで「狂乱家族日記」。うーん。それなりに期待していたんだけどねー確かにMosaic.wav.のOPはお見事で、この作品の狂った設定にぴったり。
 ところが、いざ本編が始まってみると、どうにも内容がスッとわからない。確かにムチャクチャな設定ではあるけど、「疑似家族」というテーマは至って単純なはず。池田真美子はそれほどひどい脚本家ではないと思っていたんですけどねー

 パラパラと本屋で原作を眺めてみると、もっと丁寧に描かなくてはいけない「ルール説明」の部分がアニメ版では早口ですっ飛ばされている。それなのに、冒頭の追っかけシーンとか、特に意味のないところに妙に力が入っているので、とてもバランスが悪いことになってしまっています。

 あと。ヒロインの凶華にあまりカリスマがないのは致命的かと。ハルヒがあれほど偉そうなのにみんな納得していたのは、ハルヒがカリスマの塊だったから。偉そうなキャラはカリスマが不可避でしょう。

 もう数回見てみるけど、うーん。ちょっとがっかり。
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2008年04月19日

「スルース」

 かつての英ミステリ映画の傑作「探偵・スルース」がリメークされました。舞台劇の映画化ということで富豪のミステリ作家の館から一度も出ずに老作家とスケコマシ青年の男2人の頭脳戦が繰り広げられる、という巧妙な設定。登場人物は二人だけ。オリジナル版はローレンス・オリビエとマイケル・ケイン。リメーク版はマイケル・ケインとジュード・ロウ。

 あれ?

 そうです。オリジナル版で青年役をやっていたマイケル・ケインが今回は老作家の役を好演。うーん凝ってるなあ。しかも印象的な美術のせいもあって、実に引き込まれる。オリジナル版はガチャガチャしたギミックが大量に登場して、そこが効果的だったのですが、今回は非常に洗練された前衛的なセット。そのせいで非常に引き込まれます。

 たいていこういうリメークは無残な失敗に終わることが多いのは確かです。しかも監督はいつも微妙な作品ばかり撮っているケネス・ブラナー(笑)しかし今回は特別な仕掛けがあります。ノーベル賞劇作家のハロルド・ピンターが脚本を執筆しているのですなんと。さすがセリフまわしの印象的なところといったらなく、字幕併用なら結構セリフを追える。さすが世界を代表する劇作家だけのことはありますねえ。
 どうです。ポールさん、見たくなったでしょう(^^;

公式サイト http://www.sleuth.jp/

 オリジナル版の紹介はこちら。

http://cinema-magazine.com/new_meisaku/tantei.htm

 実はこの映画のこと知らなかったんですよ。面目ない。大昔にビデオになったことがあるだけ、ということだから、無理もないのかもしれないけど。05年にCS放映されたこともあるそうだけど、うーん、こっちも見てみたいなあ。

 たぶん、今回はやや前衛的な演出が施されているようで、ややラストは難解ですが、そのぶん読み解く楽しみは十分。うーんもう一回見てみたいなあ。オリジナル版と比較して。
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2008年04月18日

エル・カザドDVD版第6話「恋する男」

 もろもろあって3カ月放置していたこの企画(−−;こうして企画がいろいろつぶれてこうして再開することになろうとは。まあ、いつかやらなきゃとは思っていたんですが、ぼやぼやしていると「無限の住人」が始まってしまうので、これぐらいがギリギリの線かな。

 実はこのエピソード、結構複雑なんですよ。ここまで律儀に守られてきた「ナディは人を殺さない」縛りがあっさり破られてしまうので。んで、このあたりからややコンセプトが敗れていったような気がするのですよ。そこが、ある意味でこの作品の物足りなさということでしょうか。

 今回も、かなり注意して見ていたのですが、すごくあっけなく人が死んでいくし、演出的にそれが重みをもって描かれているとはとてもいえない。もちろん、「MADLAX」はもっと盛大に殺されていますが、そこにはかなり強い「違和感」が混ぜ込まれていて、これが後になって大きな意味を持つようになっている。そういう作業が施されている形跡はないですねえ。

 もともと今回のコンセプトである「マカロニウエスタン」は非常にアンモラルでためらいもせず人を殺していくところが売りだったりした映画でした。そのあたりの殺伐としたイメージが1970年代のカウンターカルチャーと一致したわけなのですが。

 そこをあえて逆に行って、「なるべく人を殺さないでおこうとする女賞金稼ぎ」というのはいかにも2000年代的で興味深いと思っていたんですけどねーなんだか「なんとなく特に意味もなく殺してしまった」という感じ。このへんが、真下らしくなくてもの足りなく思うゆえんなんだけど、この先何か気が付くことがあるのか。まあ、また再開して気付いたことがあれば、逐次ご報告いたします。
posted by てんちょ at 23:37| 大阪 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | エル・カザド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月17日

空の境界第三章「痛覚残留」

 はい。こりもせず見続けております(^^;

 とはいえ、今までで一番出来はよかった。普通は第1話が一番よくてどんどんダメになっていくものですが(笑)どんどん良くなっていく、というのはこの先にも期待が持てる。最終的にダマされるかもしれんけどね。総監督不在というのは未だに不安の種だ。

 しかし今回の出来のよさにはなかなか関心しました。梶浦さんの音楽が初めて生かされていた気がするし。藤乃の「痛み」を巡るトリックとミステリ仕立ての構成はシンプルながらきれいにまとまっています。「謎解き」という中心線をはっきりと据えることによって、過去2話のとりとめのなさと大きく異なる、くっきりとした手ごたえのある演出が感じ取れました。相変わらずストーリーはわけがわからないんだけど、それは別にかまわない。何がやりたいのかはっきりさえしていれば。

 実際、演出の方向性がはっきりしているので、赤ジャケットに袖を通す式の「出陣」シーンは、今までで一番キマっている。もうひとおしできそうな感じはありましたけど。小太刀を構えるポーズは今までで一番かっこいいし、藤乃との最後の対決シーンは大いに盛り上がりました。ストーリーがよくわからなくてもこれができてこその各話演出でしょう。今までよりはっきりと「悪」のイメージを打ち出した式のキャラクターもなかなかいい。式が「悪」であることを決意を持って描いたからこそ、対決シーンの惨劇も重みを持って受け止められる。

 というわけで、今後も本サイトの「空の境界」論は、ストーリーに一切触れないまま、演出論として続けていきます。東京ではボチボチ第4章の公開が始まるようですが。第5章が100分超になるらしい。なんかイヤな予感がする。60分に収めろ!60分に(^^;
posted by てんちょ at 02:46| 大阪 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月15日

この春のアニメが壊滅

 まあ「マイメロ」もそうなんですが、この春はアニメが総入れ替えに近い中にあって、15本ほど目星を付けたものが軒並み壊滅。ほとんど見るアニメがない状態です。まーたまってるDVDを片付けるいい機会ではありますが(^^;とりあえず死屍累々の記録、見ていただきましょうか。

 まずは視聴決定組から。

 「アリソンとリリア」 あまり絵柄は好みではないし、「キノの旅」ほど個性的で辛辣な味があるわけでもない。まあ、演出家も違いますからね。しかしまあNHKらしく手堅くカバーしているので、ひとまず視聴継続。

 「絶対可憐チルドレン」久々に椎名高志見ましたよ。なつかしいなーんで、残念ながら今の時代に絵柄が古くなってしまっていることに気付いたりもしたわけですが(^^;でもまあ、彼の変わらなさ加減はオールドファンとしてはうれしい。「GS美神」の散々なアニメ化からみればずっと手堅い川口敬一郎の演出は褒められていい。「ハヤテ」と同じ人とはとても思えませんけどね。

 「RD潜脳調査室」
 関西でも放映はあるらしいけど、遅いらしいので待ちかねてwebで視聴。パソコン視聴は見にくいけど、まあ、何かしらありそうな予感はあって視聴決定。

 「ソウルイーター」
 作画と美術はすばらしいのひとこと。なんとも個性的で独特のテンションが引き込まれる。ただ…その努力を一人で派手にぶち壊しているのが小見山千明。いや、これはヘタとかいう以前でまさしく素人だろう。いまどき、ここまでひどい主役があるかと唖然。クオリティに免じて視聴は決定したものの、いくらなんでもこれはないんじゃないのか。しばらく視聴は決めたものの、いつまで続くか…

 「紅」
 これは本気で驚いた。原作付き、幼女同棲ものとタカをくくっていたら、原作付きなのにまるっきりレッドガーデンと同じ演出スタイルとは…原作ファンは怒らないんだろうか。松尾監督はようやく自身のスタイルを定めたらしい。それにしてもこの開き直り方にはおそれいった。たぶん第3話から何かしら書くと思います。いや…驚いた。無警戒だったから。

 あと「二十面相の娘」「図書館戦争」「狂乱家族日誌」が関西ではまだ未スタート。このあたりには期待してるんだけどねー…

 では1話にして切った作品たちをば。

「ドルアーガの塔」
 千明孝一監督に惹かれて。千明監督ファンは「東京バビロン」のころからやってるので古い。「ラストエクザイル」もラストを除いて大いに支持しているところですが、散々待たせた挙句これですか…冒頭から寒いコメディのうえに笑えない…期待が大きかったぶん失望も絶大。第2話から雰囲気が変わる、と言われてももはや見る気もなく。

 「陰の王」
 なんだ腐女子向けアニメか…忍者、という設定でもう萎えるんですが。


 「モノクロームファクター」
 なんだ腐女子向けアニメか…冒頭から主人公に付きまとうストーカーキャラとか、いろいろねらいすぎ。

 「わが家のお稲荷様」
 結局ハーレムか、と思った

 「BLASSREITER」
 ドイツ好きをナメるな!舞台がドイツにはとても見えない。

 「クリスタルブレイズ」
 ハードボイルドをナメているとしか思えないこの設定はなんだろう。見ていてムカムカと腹が立ってきた。期待していただけにこのナメきった設定と腐りきった80年代的な設定には本当に腹が立つ。女と寝てたらハードボイルドなんじゃない!お前、ハードボイルドをバカにしてるだろう!サブキャラの神経を逆撫でする設定も腹が立つ!期待していただけにがっくり度も高い。
posted by てんちょ at 23:09| 大阪 | Comment(4) | TrackBack(0) | アニメ一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月14日

「実録連合赤軍」

 話題の大作、とうとう行ってきました。今まで何度かこの場でも語ってきましたが、小学生の頃に図書館で連合赤軍の歴史を読み漁った人間としては、これは行かないわけにはいかない。3時間の超大作だけど、音楽のすばらしさ、カットつなぎのテンポのよさ、原田芳雄のかっこいいナレーションもあって、悲惨な話だというのに思わず引き込まれてしまう。まさしくこれぞ傑作といって疑いないでしょう。

 いまどき珍しく「実録」と銘打っているだけあって、獄中の赤軍の当事者達に接見して集めた証言をもとに構成した正真正銘のノンフィクション再現ドラマ。冒頭には「この作品はすべて事実をもとにしている」と字幕が堂々登場します。

 そしてここで再現されていることが事実なのだとすれば、あさま山荘事件は山岳ベース虐殺事件のつけたしにすぎない、という若松監督の主張はまさしくその通りだと思います。そしてもう一点。本当にこれが事実なのなら、山岳ベース虐殺事件とは、永田洋子のまったく個人的な犯罪だということです。特に監督はそう主張してはいませんが、大半のメンバーが泣きながら同志を撲殺している中、ひとりほくそ笑み、無理やり殴らせ、山中なのに化粧をしていた、私より美人だ、男といちゃついていた、などなど、本当にくだらない理由をつけて女たちを殺していく。しかも自分では直接手を下さず、いつも人にやらせる。みんな泣きながらおびえているのに、最高幹部の森の後ろに隠れて、森を炊きつけながら一人一人血祭りにあげていく。森はもともと内ゲバ抗争に参加せず脱走した前科があって、それを後ろ暗く思っているがゆえに、焦りを感じている。そこを巧妙に利用した永田洋子は本当に恐ろしい。

 たぶん、永田洋子はサイコパスか快楽殺人者だったんじゃないかと思う。事実、永田が山を降りて逮捕された後は、より厳しい冬山であるにもかかわらず、一人の死者も出ていない。いつの時代も過激なグループを立ち上げると、右左を問わずこういう快楽殺人者が漏れなくついてくる傾向はあるようで、今もイラクやアフガンではその手の資質の持ち主が闊歩している。思想なんて実はどうでもよくて、敵味方問わず人を殺すのが好きでしょうがないものたち。まったくやりきれない気分になります。

 それにしても注目すべきは、山中で軍事訓練を行うと称して大量の銃火器を集めていたにもかかわらず、同志の処刑には一発の弾も使われていないということ。すべて撲殺か刺殺か屋外での放置死。アメリカだったら30秒後には銃撃戦になっているだろうに、日本人には所詮、銃は縁遠い武器だってことを象徴する出来事ですね。

 そして「結末」としてのあさま山荘。要するに山岳ベース虐殺事件が発覚し、メンバーが散り散りになって逃走していく途中で数人が逃げ込んだ場所があさま山荘に過ぎなかったということ。本質的に邪悪である永田洋子に対して、坂口弘という人はどこか応援したくなるかっこよさがありますね。山荘でつまらないことから同士討ちになりそうになったときに「銃は権力に向けろ」と一喝してその場を収めるとこなんか、まさしく指導者の鑑…といいたいところだけど、彼にも山岳ベース虐殺は止められなかった、というか山岳ベースで彼はいったいどこにいるのか映画内では不明。常に永田と別のベースにいたのかもしれないけど、どうもはっきりしない。うーん。もう一回見てみるか。とりあえず分厚い解説書が出てるから買ってこよ。

 少なくとも坂口にも連帯責任があるのは確か。だから、いろいろと批判の的になっているラストの高校生の発言ですけど、坂口の責任を指弾するという意味であれは必要なセリフだったと思います。確かにこの作品中では数少ない「事実ではない」セリフなんですけどね。

 何にしても若松監督の「本気」が詰まった生涯の大傑作。ぜひとものおすすめです。
posted by てんちょ at 12:46| 大阪 ??| Comment(2) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月13日

おねがいマイメロディきららっ第2話

 「…ごめん、わたし来週からしばらく見るのやめるわ」

 うちの家族が言いだしました。とうとうそんな瞬間が来てしまったか。嗚呼。お笑いにうるさい人だから。

 でも、この内容ではなー見続けてくれとは無理強いできないよ。

「なんだかずいぶん子供向けっぽくなってしまった」

 という指摘もごもっとも。ひとつにはマリーランドが舞台ってのはあるんですよね。そのへんはうちの家族も指摘してましたが。

 たぶん、フラッシュ導入でペラさがバレないように、ということでのマ界舞台ストーリーだったと思うんですが、夢が丘と行き来しているときにはあまり気が付きにくいことでした。マリーランドは実は「どうでもいい場所」なんですよ。人間界が舞台の時はあっという間に被害が増殖して地球が地獄絵図になってしまうなんてスケールの大きな奇想があり得たわけですけど、そういう狂気的展開がほとんど望めない。

 まあ、魚が反乱を起こして民家に鮭が産卵する、とか狂った展開はいかにもマイメロ様らしくてよかったし。ドサクサにイクラコスプレをしているマイメロ様には爆笑させていただきました。

 「ノリはどこから持ってきたの!」

といううちの家族のツッコミはごもっとも。変身してもマイメロ様はお肌ツヤツヤになるだけできららに全部やらせる、とかいうやる気のない展開は実にマイメロ様らしくていい。ただ、やはり人間界が舞台の方が、シュール度は格段に上がっていたであろうとは思うのですよ。今のところ、フラッシュはよく動いているとは思うけど、動き方がまるっきり「FROGMANSHOW」なのはいかがなものかと。テンポの良い切り替えしのカットつなぎとアップ画面の緊張感、というのがフラッシュではやりにくい、ってことでしょうか。

 なるべく早く人間界に移した方がいいですね。1クールはこのままかと思ったけど、予想以上にもたないよ(^^;

 「人間界に戻るまで見ない」

とうちの家族、言い張ってます。ああ(^^;そんなわけで一刻も早い軌道修正を祈りつつ。いまのパターンじゃ、早晩破綻するなあ。
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2008年04月11日

「蒸気駆動の少年」

 ちょっと端境期なので、久々にSFなど書いてみます。ちょっと前に読み終わってはいたのですが、いつとりあげようかなーと思っているうちにズルズルとここまで来てしまった(^^;

 とにかくジョン・スラデックは理屈ぬきに好きで好きでしょうがないSF作家。アメリカ出身だけどイギリスに長く住んでいたということもあってか、どこかしらイギリスSFっぽいへそまがりっぷりが感じられていい。ダジャレ、言葉遊び、暗号、ロジックなどなど、日本語にしてもしょうがない作品を大量に書いた人でもあるので、ほとんど今まで紹介されなかったのも仕方ないといえば仕方ないのだけど。なんかよほど波長に合うのか雑誌とかアンソロジーとかに掲載されるたんびに探し出して読んでました。

 もちろん幻のサンリオ文庫版「スラデック言語遊戯短編集」いまや絶版の「遊星からの昆虫群X」(ハヤカワ文庫SF)も持ってます。そしてミステリファンの評価高い「黒い冷気」(ハヤカワSFシリーズ)「見えないグリーン」(ハヤカワ文庫ミステリ)も。残るは「黒いアリス」だけなんだけど、これがとんだ稀購本らしい。

 どうも世間の大半の人はスラデックを読んでも「?」と首をひねるだけで投げ出してしまうらしい。ひとつには今まで翻訳がいまひとつだったということはあります。柳下毅一郎先生の登場で、その問題もほとんど解決されたようなもの。国書刊行会が未来の文学第V期で、とうとう「ミューラー・フォッカー効果」を出すらしい。今から楽しみでしょうがない。

 まあ、原書をめくってみたら(熟読したとは言わない・笑)納得したんだけど、確かにスラデックの文章は実にそっけないのです。だから逆に日本人が読んでも実はストレスなく読めるんだけど、そこに言葉遊びが込められていたとしても気が付かない(−−;

 というわけで今回450ページにも及ぶ史上最厚のスラデックアンソロジー、夢じゃないかと涙しながら、1作1作いとおしむようにチマチマと読ませていただきました。なるほど翻訳はすばらしい。スラデックのそっけない文体まで見事に日本語になっとる(笑)

 スラデックはキャラクターというものを書きません。書けない、というよりは、そんなものに興味がないんでしょう。それよりかは奇妙な論理をひねり出す方に情熱を注ぐタイプ。だから、本格ミステリというのは、スラデックにぴったりなジャンルだったのかもしれない。たしかに「見えないグリーン」はたまげたもんなあ。他の作品は非常に違和感に満ちた空気が流れているのだけど、ミステリだけは、あっけないほどにまともかつ普通。「見えざる手によって」は、なかなか楽しいユーモアミステリで、ポールさんあたりが書きそう。

 とはいえやはりスラデックのSFのヘンさ加減は捨て難い。ベストは「不在の友に」かな。まあ、読んでみればいかにもお前がすきそうな話だ、と言われそうですけどね(^^;

 強烈さという点では「血とショウガパン」も。まさかの童話パロディスプラッタホラー。スラデックって、何をやらせても器用に仕上げるけど、何をやってもやりすぎる人だったんですね(笑)血が苦手なポールさんは読まないほうが吉。

 それにしても密かな個人ベストである「不安検出書(B式)」が本書にうっかりとしかも大トリで収録されたのはめでたい。読むため、ではない究極のメタフィクション。何をどうやってもスラデックの術中にはまる仕掛けがおそろしい。未読の方はぜひチャレンジされたし。野口幸夫氏も、こういう作品なら、ヘンな訳文にならないんだな(^^;
posted by てんちょ at 13:29| 大阪 ????| Comment(5) | TrackBack(0) | SF・小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月09日

おねがいマイメロディきららっ第1話

 というわけで始まりました。うーむこう来たか。マイメロ様のエピソード1。スターウォーズじゃないんだから。マイメロ様がダースベイダーだという説は結構うなづけますが、ダースベーダーと違って昔っから邪悪だったところを見せつけてくれるマイメロ様であります。

 なんせ初対面の人間の女の子を針で刺そうとしたりばんそうこう張っては外し攻撃を繰り出したり。外道にもほどがある。

 「マイメロがこれほど真っ黒に見えた回はない」

 とうちの家族。確かにね。ずーっとマリーランドが舞台ってこともあってなんとなく牧歌的なぶん毒は深い。

 それにしても新キャラ登場?きらら?歌ちゃん解雇?

 いやあ、それはないでしょう。なんせ前回があの終わり方ですからね。何があっても投げっぱなしだけはしないスタッフですから。たぶん1クール目の終了あたりでとりあえずホルンの修理が終わり、夢が丘にきららたちがやってくる…だけどそこはマイメロと歌ちゃんが暮らしている4年後の世界。マイメロが二人?新旧ヒロインの対決?タイムパラドックス?分割統治されたパラレルワールドの日本の行方は?いや、それはいいか(^^;

 歌ちゃん再登場のヒントはたぶん前回の提供画。歌ちゃん、きらら同様にちびっこになってます。

 ところでうちの家族は、マイメロがむかし人間と会ったことがあった、という後付け設定がお気に召さないらしい。

 「結婚して五年後に『実はむかし別の男と付き合っていたの』と告白されたみたいな気分じゃない?」

 よしなさい。そういう生々しい表現は(^^;
posted by てんちょ at 00:23| 大阪 ????| Comment(3) | TrackBack(0) | おねがいマイメロ様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月07日

無限の住人最新情報6

 なかなか新しいマイメロが見られません。30分になるとそれはそれで見るのに時間が取られるので大変かも(^^;

 なんて勝手なもんですね。

 というわけで本日も引き続き「無限の住人」情報をば。ビィートレの公式サイトが積極的に更新されております。

 清水さんの制作日誌も順調に2回目。ただし、あまり書くことがないらしく「東京ばな奈はおいしい」ってそりゃないよ清水さん(笑)
 沢村氏の差し入れだったらしいのですが、スタジオに入り浸る原作者ってのも珍しいぞ。東京ばな奈ってこどもはみがきの味がすると思うのは私だけですか(^^;

 http://www.beetrain.co.jp/contents/community/diary/immortal/

 ただ、制作準備が始まったのが昨年8月だってのがすごい。おお、「エル・カザド」の最終盤だったんじゃないですか。さすが真下。

 黒澤さんの「制作あれこれ」もアップされてまして。こちらは資料性極めて高し。社長ファンは必読です。音響監督がいる必要がほとんどなくなってしまう真下作品ですが、その音楽作業工程が明かされたのは初めてのことじゃなかろうか。まさか社長が自らパソコンを操って「Digidesign ProTools」でサウンドトラックを自作していようとは。おそるべし!真下社長。

http://www.beetrain.co.jp/contents/community/diary/studio/000180.html
posted by てんちょ at 23:48| 大阪 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 無限の住人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月05日

パリ遍歴記番外編「Realites」

 「無限の住人」アニメ化騒ぎですっかり遅くなってしまいましたが、日本のBD作家、MASAさんからメールをいただきました。先日もご紹介しましたバンドデシネ「Realites」の作画担当作家としてフランス出版界で活躍中。

bd4.JPG

 前回はお見せしませんでしたが、全編こんな感じの超美麗フルカラー。うーんすばらしい。

bd5.JPG

 HPをお持ちでしたので、おじゃましてメールでいろいろ質問してみたところ、とても丁寧なお返事をいただいた次第。

ちなみにMASAさんのページはこちら。

http://www.asahi-net.or.jp/~ki6m-hkn/nihongo/nihongo.html

ここに紹介させていただきます。MASAさん、本当に遅くなってごめんなさい。

*BDに携わることになったきっかけ

 元々、妻がフランス人だったもので、妻の友人が現地のイベント
に出した同人誌を、後に「Realites」のシナリオを書く
BD作家のKARAが気に入ってくれたのがきっかけでした。

 その後、紆余曲折を経てKARAが今の出版社を紹介してくれたのが「Realites」の始まりでした。

 MASAという名前も本意ではなかったのですが、他の案がわかりづらいという理由で軒並み没だったためにヤケクソでつけたものでした。今となってはKARAとMASAで語呂がいいからまあいいかと。



*この作品はどのような流れで制作されているか


 基本的にKARAがシナリオとネームを書いています
(ネームの変更は結構自由でした)。
送られてきたシナリオを妻が翻訳し(フランス語は難しいですね…)
それに合わせてデザインを起こし、下描き、クリンナップ、
彩色(背景はKARA、一部を除きキャラはMASA)
という流れでしたが、妻が間に入ってくれなければ
完成はしなかったと思います。


*日本のマンガとの相違点

 傾向としてマンガ=ストーリー主導、BD=ビジュアル主導
また、マンガ=大量消費、BD=コレクションアイテムと個人的には
そう感じます。それぞれ違った魅力があると思います。

*BDの魅力

 密度の濃い画面かなと。


*原書を日本で購入することはできるか。将来的にこの作
 品を日本語で読むことのできる可能性はあるか


 今のところどちらも可能性は低いと思います(残念…)。


*日本ではふだんどのような活動をしているか

 フランスのBDの他はゲームの原画等、絵の仕事
をさせていただいております。


 なるほどなるほど、ありがとうございました〜うーん。日本では読めないのかぁ…残念。とはいえ、どうやらこちらで雰囲気だけは味わえる模様。ちょっと見てみてください。



 まあ、とはいってもamazon.Fr.で通販できるようですね。興味と根性のある人はぜひ。

http://www.amazon.fr/R%C3%A9alit%C3%A9s-Kara/dp/284946953X

 コミケで手売りとかできないもんですかねー奥様の翻訳を冊子にして付ければ絶対売れるとおもうんだけど。
posted by てんちょ at 23:41| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする