2007年12月01日

デルトラクエスト第48話

 そうだったのか!と思わず膝を打つ絶妙な展開。本郷演出の職人技に絶句いたしました。なるほど、デインの正体がまさかあれだとは。確かにデインが言うとおり、ちゃんとヒントは(かなり堂々と)明かされているというのに、長く長く引っ張ったせいで、そんな伏線など誰もが忘れ去っているころにポッと出してこられると、まさしく「やられた!」という感じですよ。

 長く引っ張った理由もまるで性格が一変している理由もちゃんと説明されているし、それらは思えばちゃんと納得できる形でストーリーの中に溶かし込まれている。それが手練れの演出というものでしょう。最後にとってつけたようにバッドエンドをくっつけて訳知り顔に「人間の業」などとハシャぐCLAMPの軽薄さとはそこが決定的に違う。騙されていたことがわかっても、昔のデインの表情がのぞくたびについつい信じてしまうリーフの悲しさは人間の普遍的な本能だろうし、そこを冷笑的にあげつらわず、今後につなげていくような姿勢が非常に健全でいい。少なくとも電波説教されるよりははるかにマシです。たぶん、人間の「お人好し」ぶりを逆手に取る形で影の大王に向かっていくことになるんじゃないだろうか。

 それにしてもなんでデインは力の源であるベルトに触ろうとせずに非常に疎ましそうなんだろう?と思っていたんですが、なんとこれもまた伏線でした。そして、叩けば叩くほど強くなるデインをどうやって倒せばいいのか?という究極の難題にリーフが出した答えがベルトであったという。そうか!そういうことか。ベルトの宝石は偽りを暴くんだもんね。緻密に見えた影の大王の計画に、こういう小さなほころびがあったわけで、巧妙な展開には本当にうならされました。今回、うなりっぱなしだよ、オレ(^^;

 普通、子供向け文学での敵役はスキだらけで子供でも容易に分かる弱点を持っているものですが、影の大王はすさまじく巧妙で知的。どちらかというと「悪役」というよりは、人間が普遍的に持っている「悪」の象徴的存在、という気がします。だからこそ大変魅力的であるわけですが。このへんもまた、オーストラリア的な表現なのでしょうかね。

 今回は雷雨の中でのリーフとデインの対決、というわけで、大胆な一瀬色も盛りだくさん。リーフが深い青色に配色されているのも面白いし、空がありきたりの「鉛色」ではなくて「深緑色」になっているのも一瀬さんならではという感じ。そういえば、空が深緑だと、はるか彼方の野外階段を上っていくデインの服の紫色がくっきりと際立つという仕掛け。うーん巧妙だなあ、実に。さすが一瀬さん。
posted by てんちょ at 18:23| 大阪 ????| Comment(0) | TrackBack(1) | デルトラクエスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする